Spiral Mirror

□Happy Birthday!!光輝
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膝の上に本を置き、空を見上げていた光輝は小さく溜息を吐いてから視線を本に戻した。

今回の宿では珍しく人数分の部屋が取れ、一行は個々に部屋をあてがわれていた。
久し振りの一人の時間は落ち着くようでもあり、寂しくもある。

一人用にしては広い部屋。いつもなら大量のお菓子を持って遊びに来る天音が今回に限って二日連続で部屋に来ていない。
一体どうしたのだろう。
もう一度、小さく溜息を吐く。

風雅もいつもの如く何処かに出掛けているようで隣の部屋からは物音一つ聞こえてこない。
緋炎はきっと、久し振りの静かな時間を満喫している。邪魔出来るのは天音しかいないだろう。

色々と考えてから天音の部屋に行く事にし、立ち上がる。
今の時間なら昼寝をしているか、自分と同じように本を読んでいるだろう。

そう思いながら廊下に出、斜め向かいの天音の部屋の前に立つ。
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