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□謹賀新年。
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外に出れば息は白く染まり、

冬を感じさせる。


人々を見れば皆新年を迎えるべく、

慌ただしく動いている。


僕の好きな、この季節がやってきた。











12月31日、昼。



1年の締めくくりをしようと部屋にこもって作業をしていると、

聞き覚えのある足音が廊下に響いた。


その足音は僕の部屋の前で止み、

代わりにノック音が小さく響いた。



僕は一旦作業をとめ、

その人物を部屋へと招き入れた。



デ「やぁ、ジョジョ。作業は順調かい?」



そう尋ねてくる彼の名前はディオ・ブランドー。

僕の友人であり、兄弟だ。



ジ「うん。なんとか夕方までには終わりそうだよ。何か僕に用かい?」


デ「あぁ。父さんが、年が明けたら二人で初詣に行くように伝えてくれ、と。」


ジ「二人?父さんは行かないのかい?」


デ「父さんは、挨拶廻りに行くらしい。」


ジ「そっか。わかった。じゃあ、また11時頃に僕が君の部屋に尋ねに行くよ。」


デ「そうか。わかった。」





そう短く返事をして、彼は部屋を後にした。







ディオと二人で初詣、かぁ・・・。


少し、緊張するな。


いざ二人にされると、何の話をしたらいいかわからないや・・・。






僕とディオは仲が悪いわけじゃないけど、二人で話したり、遊んだりをする仲ではない。


僕は、彼の考えてることがわからないから。


彼には、触れてはいけない部分がある気がして、うまく歩み寄れないのだ。






臆病な僕も、今日は少し勇気をだしてみようかな。





そんなことを思いながら、僕はまた作業に戻った。

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