長編・スマイル

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弟君と別れた後、私は校内を歩きながら様々な部活を見学していました。

せっかくの高校生活ですから、部活などやってみたいとは思うのですが、何に入ろうかと悩むところです。

そんなことをぼんやり考えながら歩いていると、いつの間にか外に出ていました。

夕日が傾いてきています。もう直にバスも来るころでしょう。部活を決めるのはまた後日にし、今日は帰ることにしましょう。

家に着くと、まだ弟君は帰っていないとのこと。

夕ご飯を作る手伝いをしていると、外で物音がしました。

どうやら、弟君のご帰還のようです。私は外へ出ると、弟君は自転車の傍にしゃがみ、何やらやっている様子。


「どうかしたの?」


私が後ろから声をかけると、弟君は一瞬ビクッ、と震え、振り返りました。


「名無しさんか。自転車のチェーンが切れちゃったみたいで・・・」


そう言って眉尻を下げる弟君。


「あ!でも、ガシャポンでマニュマニュが出たんだよ!!」


余程うれしかったのでしょうね。パッと顔を上げ、キラキラとした目で私を見てきます。


「それは、よかったねぇ」


私までつられて笑顔になりました。


「さて、自転車見るから、坂道君は荷物置いてきて」

「う、うん!お願い!」


そう言って、弟君は家の中へと入って行きました。

それを見届けると、私は物置から工具を取ってきて、自転車のチェーンへと手をかけました。

私の特技、というか、趣味ですかね。機械などをいじることです。

昔、ラジオをバラバラにしてしまったことがあります。その頃は元に戻せませんでしたが、今なら元通りにできます。

それから、私は弟君が転んで壊れてしまった自転車を直したりしているうちに、こういった修理が得意になっていったのです。もちろん、メンテナンスもできます。

が、最近弟君の自転車を点検していなかったせいか、ずいぶんと、大変なことに・・・。

私が自転車の前で唸っていると、弟君が戻ってきました。


「どう?直りそう?」


弟君の言葉に、私は力強くうなずきました。


「直して見せましょう!!」


困難なことにこそ、燃えるものです!!


「王立軍の名にかけて!!」




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