短編・荒北

□アスフォデリン
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「靖友ー」

「なんだヨ」


私の部屋でごろごろと休日を過ごす私と、恋人の靖友。

めずらしいことではない。最近ではだいたいいつもこうだ。

することもないから、家でごろごろ。


「靖友は、私のもの?」


私の言葉に、靖友はいじっていた携帯から顔を上げて眉を寄せて私を見た。


「アー?何だ、急に」

「私は、靖友のものだよー」


クッションを胸に抱き、うつらうつらと眠りに落ちそうな私は重い瞼を半分くらい開けながら靖友を見た。


「ハァ?」

「靖友はー、私の・・・」


いいかけて、視界が真っ暗になった。

靖友の匂いだぁ。


「へいへい。俺はお前のモンだよ。だから、もう寝ろ」


靖友がそう言い終わると同時に、私はスゥ、と深い眠りに落ちて行った。


(コイツ、眠いとき意味分かんねェこと言い出すからナァ。・・・まぁ、ちょっとうれしかったけどサ)



私はあなたのもの。なら、あなたは私のもの、だよね?



 

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