短編・荒北

□A
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先に「風紀委員の機械娘」をお読みください。



荒北君に好きなのかと問われたその日、私は家に帰ってからさんざん頭を悩まされることになりました。

別に好きではない。ただ、先生に言われてあなたを監視していただけ。

その言葉が出てこなかった。

私は、ただ先生に言われたから荒北君を見ていただけ。そう考えれば考えるほど、自分の中の何かが“違う”、と叫んだ。

違う、なら、何で私は荒北君を見ていたの?
それは、好き、だから?

そう考えた瞬間、その言葉は私の中にストン、と納まった。

すき?好き?誰が?私が?荒北君を?

そう思い至った瞬間、私は顔に熱が集まっていくのを感じた。


「・・・うそ・・・」


いつから?いつ、私は荒北君が好きになっていたの?

考えれば考えるほどに私の頭の中はこんがらがっていった。




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