復活小説

□その1
29ページ/69ページ

仲悪き事は微笑ましき哉(獄&ツナ?)






ちゅどーん。
アジトの一角から大きな爆発音が響き、綱吉は大きく溜息をついた。
アイツら………今度は誰だ。
いつもいつも、いつもいつも、施設を破壊しやがって、こんちくしょう。

書類にサインするために持っていたペンごと、途中までサインしたその書類を握りしめた。
グシャっと皺が寄り提出できるような代物ではなくなってしまったが、今の綱吉にそんなことを気にする余裕はなかった。
しかも今綱吉が握りつぶした書類も、一週間ほど前に起きた爆発による修繕に関係する書類だったのだ。

あのときは獄寺と了平の戦闘だったか。

軽く皺を伸ばしサインを二重線で消す。
そして下に大きく「再提出」と書いて処理済みの書類の中に紛れさせた。

コンコン、と控えめなノックの音が綱吉の耳に届いた。
入出を促すと、山ほど書類を抱えた山本が入ってくる。
机の上に置かれた塔のような紙のビルディングに、綱吉はまた溜息をついた。

「ツナ、なんか東塔の爆発、獄寺と雲雀らしいぜ」
「…………ねぇ、武。隼人呼んでくれるかな」

先程の爆発の理由が、武の口から告げられる。
なぜ爆発に至ったかまではわからなかったが、原因である人物だけは発覚した。

綱吉は頭を抱えたい衝動に駆られる。
特に獄寺に対する怒りと嘆きが酷かった。
前回の爆発も獄寺が関係しているのだ、怒るなというほうが酷というものだろう。

この際、雲雀のことはおいておこう。
また日を改めてでも話しを聞けばいい。
だが、獄寺には一度きつく灸を据えなければいけないかもしれない。
そう判断し、綱吉は山本に獄寺を呼び出すように伝えたのだ。
……もう書類の処理なんかしてられるかっ!!






次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ