復活小説

□その1
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不規則な隣人(初ツナ←リボ/パラレル)






「行ってきます!!」

元気よくツナが部屋を飛び出した。
遅刻ギリギリのため口には大きめのロールパンを咥えている。
鍵をかけようと扉に向かった時、後ろから声がかかった。

「今日もギリギリだな、ツナヨシ」
「あ、おはようございますジョットさん。今帰りですか?」
「ああ、眠くて死にそうだ。そんなことより、遅れそうじゃないのか?」
「ああ!! それじゃおやすみなさい!!」

ジョットの声に咥えているパンを左手で持ち、振り返り朝の挨拶を述べた。
愛しい愛しい綱吉と顔を合わせられて幸せなジョットだが、無表情に近い会釈で挨拶を返す。
そしてツナを学校へ急がせた。
もっと一緒にいたかったが綱吉を遅刻させる程の願望ではない。
何より、しこたま呑まされたアルコールに依る眠気で限界に近かった。

ジョットに言われ現状を思い出した綱吉は、ジョットに清々しい朝に似つかわしくない就寝の挨拶を述べると、ロールパンを咥えなおし、慌てて鍵をかけるとエレベーターへと駆けていく。

「本当にしょうのないヤツだな」
ぼそりと、とても穏やかな表情でジョットは独りごちると、身体が欲している睡眠をとる為に自身の部屋へと続く扉を開いた。
―――今日は許容量以上に呑まされたので、酔いが抜けきるかとても不安なジョットだったが。






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