復活小説

□その1
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ただ黙して去れ(初ツナ←リボ/パラレル)






「おはよう、ツナヨシ」
「おはようございます、ジョットさん」

いつも通りの朝。
学校へ行こうと部屋を出た綱吉は、隣人であるジョットの声に笑顔で振り返った。
綱吉の笑顔はジョットには文字通りキラキラと見えている。
相当末期のようだ。

「じゃあ行ってきます。おやすみなさい」
「おや、行ってきますとオヤスミのキスはしてくれないのか?」
「ちょ、何言ってるんですか!!」

綱吉とジョットの関係は先日恋仲に発展したばかりだ。
ジョットは日本人とイタリア人とのハーフであり、長い間イタリアで生活していたためスキンシップが半端ない。
綱吉にとってそれは羞恥の地獄のようなものであった。
慣れなければいけないとはわかっているのだが。

そしてイタリアでの生活が長かったこともあり、女性の扱いが特殊であった。
綱吉もイタリアの女性を大切にする文化は理解している。
ジョットが敢えてそれを活かした仕事に就いているのか、偶然その文化を活かせる仕事に就いたのかはわからない。
それでもまあ、綱吉にとって否ジョットの恋人という立場としては面白いものではないのだが。

「あー! 行ってきます!!」
「気をつけてな」

遅刻すると騒々しくドアに鍵をかけて綱吉はエレベーターに駆けていった。
その後をジョットの声が追う。
ああ、愛しい愛しい綱吉。
今日も元気そうで何よりだ。
ジョットも本日の激務による疲れを癒すため、部屋へのドアを開いた。





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