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□ACT01
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桜side
朝、ハルの声で目が覚めて、まだ眠たかったから暖かかったハルに抱きついたらキスされた。
朝から心臓が・・・・っっ!
ハルのキスは何時も不意打ち。
もう2年も付き合ってるのに、キスも数える程しかしてない。
だからさっきのキスは凄く貴重なもの。
でも最近その理由が発覚。
ハルに私の不安な気持ちをぶつけたら
「俺なりにお前を傷付けないように大事にしてきたつもりだ」って言われて
不覚にも泣いてしまった。
・・・・だってもう愛想尽かされたと思ってたから。
そう思わず呟いてしまった私にハルは優しくキスしてくれたのを今でも覚えてる。
それに、キスしてって言えばいつでもしてくれる事も最近になって判明した。
そう色々考えているうちに真新しい岩鳶高校の制服に着替え終わった。
『ハルーっ!見てみてーっ!』
ハルにこの間階段で転けたら怪我するから走るなって言われた事も忘れて階段を駆け下り
さっきお風呂から出てきたのであろう、水着の上からパーカーを羽織、エプロンをして鯖を焼き始めているハルに抱きついた。
「危ない。火から離れろ。」
確実に私より火に近い自分より私を心配してくるハルにキュンってした。
『見て見てっ、今日から私もハルと一緒の学校だよっ?』
「ん。似合ってる。」
そう言って私の頭を撫でてくれたハルにまたキュンってした。
たった1言だけでも、ハルが言うのは珍しい褒め言葉だったから思わず頬が緩んでしまった。
『後私がやっとくからハルも着替えてきたら?』
「・・火傷はするなよ。」
そう言ってハルは部屋に戻っていった。
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