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□Act.10
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『な…なんで…(なんで凛ちゃんがそんな顔するの?)』



ひどく悲しいような苦しいような顔をしている凛に名前は目をそらせなかった。




「名前…好きだ…ずっと前から今も変わらない…」



凛の突然の告白に目を見開く名前。



『…何で…急に…』



頭がついていかない名前。




「もう…限界なんだよ…お前が……好きでたまらない……」


『り…ん……ちゃん』



名前の額から下に順にキスをする凛。




「名前…好きだ…なぁ全部…俺にくれ…死ぬほど優しくしてやるから…」


『凛ちゃん……わたし(凛ちゃんが……好き?私は…)』



シャワー室から物音がして、名前
は思わず凛を突き飛ばしてしまう。



『……!ごめん!凛ちゃ…』



ベッドから落ち尻餅をつく凛に謝る名前。




「…それが答えか?」


『っ!違!』



「……ハァ」



ため息をつき泣きそうな名前の顔を一度も見ることなく、ジャージの上着を羽織ると部屋を出ていく凛。
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