独奏の堕天使
□☆十七歳〜十八歳編☆『シン』のコケラ
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目が覚めた。
とても、とても懐かしいあの旅の夢を見ていた気がする。
空を見上げたら真上に太陽があった。
…眩しい。
腕て目を覆い隠しつつ、もう昼時かと感じる。
その時
「ぐっ!?」
いきなり植物のようなものに拘束された。
同じようなものが周りにも数本見える。
そして…
「この形はグノウね。そりゃあ見るわけだよ、あんな懐かしい夢。」
硬い甲羅に包まれた『シン』のコケラ、グノウ。
恐らく微かに幻光虫にジェクトの思いとやらが入っているのだろう。
そしてその幻光虫で作られた『シン』のコケラ。
つまり『シン』のコケラにはジェクトの思いが入っている。
…影響されてるなー。
そして私は脇差を鞘から引き抜き、手早く私を拘束している触手(?)を切り裂く。
私が地面に降りた瞬間森に繋がる階段からビサイド・オーラカのメンバーが現れた。
「『シン』のコケラ!?」
「まずいっすー!!」
ダットを筆頭にUターンするオーラカのメンバー。
「早く手伝え!『シン』のコケラだ!」
ワッカ兄の声が聞こえ、他の皆も現れる。
「レイン!良かったぁ…無事だったんだね。」
ユウナが近くに寄って来てくれた。
「大丈夫に決まってるでしょ?それより…早くこいつを始末しなきゃ。」
「はい!」