独奏の堕天使
□☆十七歳〜十八歳編☆壊滅を阻止せよ。
2ページ/5ページ
「も っ と は や く ! !」
『無茶を言わないで下さい!それなら…!!』
「龍君は喚ばない喚べない喚びたくない!!」
わたわた意味不明な会話をしながら私はヴァルの背中に乗って、キーリカへ向かう。
『シン』は約25m程後ろだ。
『シン』を軽く引き離したまま私達はキーリカに着いた。
「ヴァル、ありがと!!」
『無茶しないで下さいね、例え彼を止めるためだとしても…』
「うん!!」
私を下ろしたヴァルはユウナ達の元へ戻っていった。
「絶対……止める!!」
そう言って私はプロテス、シェル、リフレクを発動。
発動直後に『シン』と激突する。
…正直押し負けている。
「くっ……うぅ……」
『シン』の放つ重力の衝撃波と私の魔法。
互いの力は均等に押しあっている様には見えない。
元々結果は見えていたのだ。
スピラ中を脅かす厄災と唯の人間。
止められるわけが無かった。
敵うわけがないのだ。
魔法は無様に砕け散り、私は衝撃波に吹き飛ばされた。
その余波でキーリカは崩壊
私は…無理だったのだ。
空中に居る感覚。
それに攻撃の余波を感じながら私は意識を手放した。