独奏の堕天使

□☆十七歳〜十八歳編☆さようなら、ビサイド。
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「風、気持ちいね。」

「うん……」

そう言うと二人はいきなり笑い出した。
そして、ユウナがティーダに聞く。

「ブリッツの選手なんでしょ?ザナルカンドの。」

その質問に対してティーダは

「それ、ワッカから聞いた?
あいつ…絶対信じてないくせに。」

「私は信じるよ。」

「…へ?」

ユウナの答えに驚くティーダ。
は?マジ?とでも言いたそうだ。

「ザナルカンドでは…夜でも光があふれてて、大きなスタジアムがあって…スタジアムではブリッツボールの試合が開かれて、いっつも超満員!」

「なんで知ってんのさ!?」

ユウナがザナルカンドの事を話したら、ティーダは凄く驚いた。
そりゃあ、遺跡とされている自分の故郷の話をされたら驚くわよね。

「ジェクトという人から聞いたの、父さんのガードしてくれた人。」

「……俺の親父もジェクトって言うんだ。」

「すごい!私達が出会えたのは きっと、エボンの賜物だね!」

ユウナは笑顔でお祈りをする。

「似てるけど……別人だよ。」

「どうして?」

「親父……死んだんだ、10年前。
ザナルカンドの海でな。」

「そっか……」

「ある日、海へトレーニングに行ったまま…帰って来なかった。
それっきり行方不明さ。」

「さて、これで完璧に繋がるね。」

「は?」

ここで私は二人の会話に入る。

「あっ!ジェクトさんは、その日にスピラに来たんだよ!」

「まさか。」

「だって、私がジェクトさんに会ったのは10年と95日前!
父さんが旅立った日だから…良く覚えてる。
時期はぴったりでしょ?」

「でも、どうやって来たってんだよ。」

戸惑いながらティーダは聞いた。
そしてユウナは少し間を開けて

「キミは…ここにいるよ?」

と、答えた。

「あのデカ物以外に考えられる?」

私が言ったその時!

『餓鬼!レイン!ユウナちゃん!きぃつけろ!!』

船が大きく揺れた。
その反動でユウナが倒れそうになるがキマリが助ける。
一方私はわざと海に飛び込み…脇差を木造船の船体に刺した。

「レイン!?」

「『シーーーーン』!!!」

海の中で私は言う

「ジェクト!大丈夫!?」

『レイン!悪りぃ…意識はある!だが…制御が効かねぇんだ!!』

成る程、1番最悪なパターンね……

「わかった。」

『力尽くでも良い、俺を止めてくれ!!』

「うん、全力で止める。」

そう言って私は船に戻った。

『頼んだぜ…』



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