独奏の堕天使
□★七歳〜八歳編★到着
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目が覚めたら、見知らぬ場所だった。
辺りに漂う幻光虫、ここはザナルカンド遺跡だと言うことは直ぐに分かった。
「………っつー。」
上半身が痛い。
確か、護法機士のブラストパンチを食らって―――
『おっ、起きたか。』
少し高度の低い所からジェクトの声が聞こえた。
『おーい、ブラスカー!!』
ジェクトがブラスカを呼ぶ。
「ジェクト、おはよう。」
とりあえず私はジェクトに話しかける。
『!?』
そうするとジェクトはとても驚いた。
なんでだろう??
「どうしたの?」
『…いや、なんでもねぇよ。』
なんでも無いと言うジェクトだがその表情には焦りと困惑が見える。
まるで
なんで話せるんだ?
とでも言い出しそうな。
…………まぁ、それは放っておいて。
私は少し疑問に思った事を聞く。
「あれっ?鉢巻きはどうしたの??」
ジェクトの頭にいつもある鉢巻きが消えていた。
それが私の疑問である。
そう聞くとジェクトはいつも通りの笑顔で
『なんだよ、気付いてねぇのか?』
と、言った。
私は頭上にはてなマークを3つ浮かべたような表情で見るとジェクトは自分の頭を人差し指でぽんぽんと叩いた。
私はそれにつられたように頭を右手で触って見ると、髪以外の布の感触があるのに気付き、外して見るとそこにはジェクトがいつも着けている鉢巻きがあった。
「あれ?どうして………」
『えーっと、まぁ、その……。誕生日プレゼントってやつだ。』
私が聞くとジェクトは照れ臭そうに左手で頭をかきながら言った。
「それって、これも?」
私は首に下がっているザナルカンド・エイブスのマークが型どられたネックレスをジェクトに見せる。
『おう、そうだ。鉢巻きだけじゃ少ねぇからな。』
ジェクトがニカっと笑いながら答えた。
そこに……
「起きたね、レイン。」
「体の方は大丈夫なのか?」
ブラスカとアーロンが階段を登って来た。
「ブラスカ、アーロン。うん、大丈夫だよ!私、すっかり寝ちゃって………っあ!!」
『どうした?』
ここまで言ってふと思い出した。
究極召喚はどうなったんだろう??
「究極召喚って…………。」
「あぁ、大丈夫だよ。もう手に入れたから。」
『だからレインは気にすんな。』
その言葉を聞いて安心する。
……と、同時に申し訳ない気持ちになる。
「後は、………『シン』を倒すだけだ。」
「そっか。なんかごめんね、私……迷惑かけてばっかり。」
「良いんだよ、それがレインらしいから。」
「むっ………なんか馬鹿にされたカンジ。」
「『気にするな。/気にすんな!』」
「ほらっ!出発するよ。」
「はーっい!!」
〜〜〜〜〜
「……ブラスカ様、レインは何故―――」
「ジェクトと話しているような感じで独り言を言っているのか?……だろう?」
「…………はい。」
「私にも分からない。だがレインはジェクトと話している、それだけは言えるよ。」
「それは、ザナルカンドから来たというのに原因があるのでしょうか?」
「どうだろうね、でもこれでばれずに最後まで行けそうだ。」
「…………はい。」
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