独奏の堕天使
□★七歳〜八歳編★到着
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「なんでこんなのが居るのー!?」
私達は今、ゼロ式護法機士×2との戦闘中。
なんで機械兵器(?)が居るんだよー!!
……いつもだったらこんなことで大声あげたらアーロンが『五月蝿い』だとか『黙って戦闘に集中しろ』だとか言うのになんで今は何も言わないんだろう。
そう思い、アーロンの方を見るとアーロンは何か考えている様な暗い表情をして剣を肩に乗せたまま突っ立っていた。
様子が………変?
「アーロン、どうし―――」
「レイン!危ねぇ!!」
どうしたの?
と言おうとした瞬間ジェクトが私に向かって叫んだ。
『えっ?』と言いつつ振り向くと目の前に護法機士の手が……
そして私は、護法機士のブラストパンチを食らって気絶してしまった。
〜〜〜〜〜
「………すいません。」
アーロンがジェクトとブラスカ、そして気絶中のレインに向かって謝罪する。
「おめぇらしくねーぞ、ボケーっとしてるなんてよ。」
レインを背負っているジェクトが言う。
「思っていることは素直に言った方が良いよ、二人とも。」
「ん?俺もか?」
「………」
アーロンは下を向き、黙ってしまう。
暫くしてジェクトが
「ったく……そんなら俺から言っちまうぜ、アーロン。」
と沈黙を破った。
そして一息ついてから
「なあ、ブラスカ。……止めても良いんだぞ。」
それに対しブラスカは
「気持ちだけ受け取っておくよ。」
と答えた。
「……わーったよ、もう言わねぇよ。」
ここで黙っていたアーロンがやっと発言する。
「………いいや、俺は言います!ブラスカ様、帰りましょう!!貴方が死ぬのは…嫌だっ…………。」
今までレインが居たせいか、それとも言い出せなかったのかは分からないが自分の思っていたことを大声で吐き出すアーロン。
その言葉を聞いたブラスカは
「君も、覚悟していたはずじゃないか。」
と、少し切なげに答えた。
「あの時は……どうかしていました。」
「ははは、私のために悲しんでくれるのは嬉しいが……、私は悲しみを消しに行くのだ。
『シン』を倒し、スピラを覆う悲しみを消しにね。
わかってくれ、アーロン。」
「…………」
またアーロンは無言になる。
「さあ、行こう。長い旅の目的地はすぐそこだよ。」
〜〜〜〜〜
「もしかして……この先試練か?」
ブラスカ様御一行は只今エボン=ドームの回廊、試練の間と思われる部屋の目の前に来ている。
因みにレインは未だに気絶中。
おぶる人は戦闘スタイル上の問題でジェクトからブラスカにかわっている。
「たぶんね。」
「かったりぃなあ……、ここまで来てまたかよ…。
オレはまた歓迎の花火でもバンバン上がるかと思ってたぜ。」
「私が『シン』を倒したら、そうしてもらえばいいさ。
……ここにレインを置いていこう、万が一の事を考えて。」
そう言うとブラスカはレインを降ろし、優しく寝かせた。
その後持ち物からブランケットを出し、レインにかけた。
「ここは魔物も出ないし、安心だろう。
……さあ、行こう。」