独奏の堕天使

□★七歳〜八歳編★酔っ払い親父を止めろ
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「レイン、大丈夫かい?今手当てをするからね。」

ブラスカはこう言ってから私の傷の手当てを始めた。
アーロンは気絶したジェクトを放置してシパーフ使いのハイペロ族(?)の人の所に謝罪をしている。

「右足の傷が結構深いね、取り敢えずズボンを切るから。」

「うん。」

ブラスカは私のズボンを傷の所まで切り裂いてからポーションを足にかけ、包帯を巻く。
その後もブラスカは慣れた手付きで私の傷の手当てをしていった。

「大丈夫か?」

「アーロン……」

手当てが終わると同時にアーロンが気絶したジェクトを引きずって此方に来た。

「どうだったんだい?」

「傷は浅く、明日には再開出来る見込みのようです。慰謝料として30000Gil程絞られましたが……
まあ、50000Gilから下がったので。」

「そうか、今日はレインには悪いけど野宿だね。」

この様な話を聞いていると止められなかった罪悪感が押し寄せてくる。
私が止められていたら………

そう思って俯いているとアーロンが

「お前は悪くない。寧ろ傷が浅く済み、慰謝料が安くなったのはレインのお陰だからな。元はと言えばこの酔っ払いがいけない。」

と言いながら倒れているジェクトを爪先で軽く蹴る。

「後で説教ですね。」

「うん、任せたよ、アーロン。」


それから20分後、野宿の準備をアーロンとブラスカが整えている最中にジェクトが起きた。
因みに私はブラスカが
「傷が深いんだから無理しないで休んでなさい。」
と言ったので準備を手伝えていないでいる。

「ん……。」

「やっと起きたね、ジェクト。」

「…あ?何で俺寝てんだ?」

記憶が曖昧そうな発言をするジェクト。
あの峰打ちを受けたのだから仕方ないかな?

「アーロン、頼んだよ。」

「はい。」

「?……おい!引っ張んな!」

アーロンがジェクトの鉢巻き(と髪)を引っ張って何処かに行く。
説教だねー。




【しばらくお待ち下さい】




20分くらいしてアーロンとジェクトが帰ってきた。
ジェクトは下を向いている。
反省してる………ね?
因みに私は足の傷が痛まなくなってきたのでブラスカと一緒に野宿の準備もとい夕飯の支度をしていた。
今日はカレーですよーっ☆(((

「ブラスカ、レイン……すまなかった!」

「一応これから酒は一滴も呑まないそうだ。」

ジェクトが私とブラスカに謝罪し、アーロンはジェクトの反省度を報告する。
一滴も呑まないって……お酒って依存性あったよね?
守れるのかな?

「反省はしているようだね。」

ブラスカがいつもの笑顔で言う。
ハッキリ言っていつも通りなのが怖いです(笑)

「証拠ならあります。」

そう言ってアーロンはジェクトのお土産用スフィアを一つ取り出し再生した。
そこには禁酒を断言したジェクトとアーロンの説教する声が入っていった。

「約束・・・だね、絶対だよ。」

「おう!もう呑まねぇよ!」

私の言葉にジェクトは断言する。

「破ったら・・・どうする?」

「レインのサンダガで良いと思うよ。」

「いや、此処はフレアにしておきましょう。防具に吸収が入っていたら効きませんし。」

「そうだね。」

凄く真っ黒なお二人ですね。
ブラスカにっこにこだし・・・

「それで良いぜ、遠慮無しでよ!」

ジェクトも賛成のようだ。

「じゃあそれで。」

そう言った私は懐から一冊の手帳(と言うかメモ帳)を取り出して今回の約束の内容をメモする。
忘れるといけないからね!
ちなみに今までのも記入済み。

「さて!ご飯にしようか。」

ブラスカの言葉で今回の反省会は幕を閉じた。





次の日、ジェクトがフレアを一発喰らったのは言うまでもない。



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