独奏の堕天使
□★七歳〜八歳編★お節介と暴走
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自分のしていた事を想像すると頭が痛くなってくる。
そこにリンが歩いてきた。
「ブラスカ様、ガードの皆様、魔物を倒して頂きありがとうございます。お礼と言ってはなんですがチョコボを一回無料で貸し出させて頂けないでしょうか?」
「それはありがたいね、そうさせて貰おう。」
リンの提案にブラスカは承諾する。
……チョコボって何?
「乗る時はあそこに居る係りの者に言ってくださいね、それでは。」
そう言ってリンは旅行公司に入っていった。
「さて、クロヤ。」
ブラスカが私に声をかける。
「疲れていないかい?休みたいなら休みを取るよ。」
私を心配しているのだろう発言をする。
だが、こんな事で迷惑をかけるわけにはいかない。
なので私は「大丈夫だ。」と答える。
そして私達は旅行公司の入口付近に居る係りの人と思われる女性の元へ向かった。
と言っても向かったと言うほどの距離もなく、私達は女性にチョコボを借りようとしたのだが……
「三羽しか居ねぇだぁ?」
「はい、申し訳ありません。現在三羽しか……」
三羽しか居ないらしい。
……と言うことはチョコボは鳥の一種なのかな?
「まあ、良いじゃないか。誰かがクロヤを乗っければいい話だろう?」
「そうですね、誰が乗せますか?」
二人の中では私が三人の内の誰かと一緒に乗ることが決定らしい。
……まあ初めてだし、仕方ないか。
「俺はパスしとくぜ。」
「当たり前だ。」
「じゃあ、アーロンが乗せるかい?」
「それが良いでしょう。」
三人は私を置いて話を進めていく。
「では、三羽借りるね。」
「はい、申し訳ありません。」
ブラスカが係りの女性にそう言うと彼女は頭を下げてからこの場から去っていった。
恐らくチョコボを呼びに言ったのだろう。
暫くして女性が黄色い鳥を三羽連れて来た。
かっ…可愛い、もふもふしたい…。
これがチョコボか!
「何ボーッとしている、さっさと乗れ。」
アーロンがポーっとしている私にきっつーい言葉を放つ。
その前に、
「チョコボ、おっきい……」
自力で乗れる気がしない。
そして素が出てしまっているが無かったことにしよう。
「乗れないと言うことか?」
アーロンが先程の私の言葉から察したように聞いてくる。
それに対して私は、
「は!?そ、そんなんじゃ―――」
「素直になれよ!クロヤ、乗っけて欲しいんだろ?アーロンに。」
「だから違うってーの!って、キャッ!」
ジェクトの言葉に何故か動揺(?)し、弁解していたのだが……
「子供は素直に言うことを聞いとけ。」
「うーっ!子供扱いするなって!!」
アーロンに乗せられてしまった。
私をチョコボに乗せた後アーロンも私の後ろに乗る。
チョコボふわふわです。
「クロヤもちゃんと乗ったね、じゃあ行こうか。」
待っていてくれたブラスカの一言でチョコボに乗った私たちはミヘン街道を進み始めた。
………が、乗って七、八分後。
私はアーロンに寄りかかったまま無言になってしまった。
「……」
「おい、レイン。」
「………スゥー」
私は寝てしまった。
「寝ちまったなぁ、。」
「あれだけフレアを連発したんだ、仕方ないと思うよ。きっと、私に気を使っていたんだろうね。」
「………」
アーロンは黙って自分の前で寝ているの姿を見る。
「落とすんじゃねぇぞ、アーロン。」
「落とすわけないだろ、大切な…妹だからな。」
珍しくアーロンがレインとジェクトの悪ノリに乗る。
「ほーっ!言ってくれるじゃねぇーか!!」
この時普通に立っていたらジェクトがアーロンを肘で突いていただろう雰囲気で言う。
「レインにも聞かせてあげたいね。」
「訂正します、大切な仲間ですから。」
「やっぱカタブツだな、おめーは。」
結局私が起きたのはキノコ岩街道中間でした。
起きた後に「何かあったの?」とアーロンに聞いたら「…何もない」と妙な沈黙の後答えたのでブラスカとジェクトの方を見たらニヤニヤしていた。
……後で(無理矢理でも)聞いてみよう。
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