目が覚めたら何か大変なことになってました。
□プロローグ
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「佳音!一緒に帰ろっ!」
私に声をかけたのは親友の東藤朝夏。
「うん。」
私の名前は霧島佳音。
中学生二年生。
父母は去年事故で他界したので一人暮らし。
元々出張の多い二人だったので生活はさほど変わらない。
二人とも出張先のアメリカで事故にあった。
万が一の為に父母が一家全員の銀行口座のパスワードと通帳、カードを雛人形の中に隠しておりお金に困る事はない。
だって口座全部に最低一億入っているとか異常。
借金でも背負わない限り無くならない。
「あー、早く明日になんないかな。」
「またその話?本当に好きだよね。」
明日、12月26日木曜日は私の誕生日であり大好きなFINALFANTASY]の発売日。
私はもうVita本体とタオル、ソフト二本のセットとPS3のソフト二本を予約済みである。
配達をお願いしているので19時に届くはずだ。
「だって、皆が綺麗になって…」
「はいはい。じゃ、アタシこっちだから。」
私の言葉を遮って朝夏が言う。
「うん、じゃあね。」
私と朝夏はT字路で左右に別れた。
私は誰も居ない一軒家に「ただいまー」と言って入る。
三階建ての一人暮らしにはとても大き過ぎる家には奇跡的にローンは残っていない。
父母まじ神。
いつも通りに手を洗い、ご飯の支度をする。
その間に風呂を沸かして、お弁当を水に浸ける。
その他色んな事をして洗い物を終えた私は父が生前よくやっていて私もはまってしまったFINALFANTASY]を始める。
「確か……26週目だっけ。」
完全に廃人になってしまっているが気にしないで下さい。
私はもう見馴れたシーンを見ながらもプレイする。
そしてビサイド島に着いた所でセーブした。
「……寝よ。」
何故か知らないけどそわそわした。
明日は凄いことが起こるような、そんな気がした。
だけど誕生日と発売日のせいにして私は寝た。
そう、これが人生で最大の誕生日プレゼントの予兆だと知らず。