独奏の堕天使
□☆十七歳〜十八歳編☆死と生
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「ふーん… つ ま り 私はその程度の存在だったと。」
「仕方がないだろ、文句は後頭部から落下させたユウナレスカに言え。」
「っはは、冗談よ冗だーー…」
そこまで言うと私はいきなりふらついてしまった。
咄嗟に私の身体を支えるアーロン。
「おい、大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫、チョットフラついただけ。」
すると、唐突にアーロンは私の額に防具をつけていない左手を当てた。
額から伝わる左手の冷たさに私の顔は熱くなっていく。
…何故?
「…熱、出てるぞ。」
「え?嘘。やだなぁ、そんな訳無いでしょ。」
「俺がそんなくだらない嘘を吐くと思っているのか?」
そう言うとアーロンはさっさと戻るぞと言って私を担いだ。
「へ?チョット下ろしなさいよ!」
「断る。」
担ぐ…と言っても抱きかかえるに近い。
私は結局そのまま部屋まで連れて行かれたのであった。
「38.8か…完全に熱だな。」
「えぇ…」
「取り敢えず、店員から薬でも貰っておくか。少し待ってろ。」
「分かった。」
そのままアーロンは部屋に私を残してって言った。
私は黒いTシャツの首元を少し引っ張って鈍く光るネックレスと自分の胸の中心を見る。
ネックレスは何も変わってないが、胸の中心部分…丁度谷間に当たる部分に変化があった。
真っ黒な痣のような物が浮かび上がっている。
「……タイミングの悪い、」
服を引っ張るのをやめて私は無機質な天井を見る。
体温の上昇に合わない体調、真っ黒な痣。
この現象には心当たりがあった。
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