独奏の堕天使
□☆十七歳〜十八歳編☆目的
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「幻にとりつかれたる我が魂
苦悩の末にたどりつきたる願望は 仲間の救済と安らかなる己の眠り」
私はアーロンに背を向けて呟いた。
「何だ、それは。」
「昔、両親と行った舞台の台詞。
仲間を奪われた少年は何時しか夢見る未来…幻に取り憑かれ、苦悩の末仲間の救済と引き換えに自分の消滅を果たす。
そのままじゃない?」
「………冗談はよせ。」
アーロンは少し私を睨んだように感じた。
声のトーンがそう伝えたのだ。
「何言ってるのよ、ふと思い出しただけじゃない。」
「お前ならやりかねんだろう。」
よくお分かりで。
そう言うと私はアーロンの方を向いて指笛を鳴らした。
それに反応して空から5つの氷の塊が背後に落ちてくる。
舞い降りるは氷の女王。
『こう言った場ならバハムートが最適でしょうに…』
「えへへ…」
「召喚獣…か。
1人だが仲間は増えた…納得出来る。
だが…目的とは何だ?」
アーロンは軽く睨みながら私の目を見る。
目的…未だに達成出来てない私の旅した理由。
「ジェクトを助ける。」
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