独奏の堕天使

□*???編*ある召喚士のお話
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いつもの様に仕事をしていた時だった。
ある村の老人から一冊の本を受け取ったのだ。

「仕事をする少女に渡せと…本の裏表紙に書いておりましてな、恐らく貴女様でしょう。」

貰って損は無いと思った、だから素直に受け取ったのだ。
仕事の拠点に戻り本を開くと挿絵混じりの図鑑…と言うよりも辞書の様な中身だった。
パラパラと捲っていき、後ろから丁度10ページくらいだったろうか…本の雰囲気が変わった。
取り敢えず中身はスルーして、最後のページを見た時私は唖然とした。





『未来の異界より、貴女の成功を願って。
ーーーより』



名前の部分は黒い染みが出来ていて読めなかった。
未来の異界?何を言っている。
そう思った。
ーーーだが、本を初めから最後まで読み終えた時私はこの言葉の意味を知ったのだ。


「…はは、こう言うことか。」


この本だけはループしている。
この世界の情報と異界まで行ってしまった私の意思を乗せて、異界の私の手によって。
唯の嘘?いや、その可能性は低いだろう。
究極召喚の部分があり、そこに書いてあるのが真実なら『シン』が復活するのに納得がいく。
だが、その先は不確かな事ばかり。
一般人は知らない事や誰も知らない事…
その様な表記の情報が沢山詰まっている本だ。
あの老人は読んだのだろうか…いや、そんなのはどうでもいい。
真実を確かめに行こう、幸い素質はある。






召喚士になろう。




数日後の夜中。

私は一人寺院の試練の間へ向かった。
はっきり言って難しい、やはり一度も行ってないからか。
他の寺院の試練の間は行ったことあるんだけどな…
それにしても機械っぽい試練の間だな、その分やり易いが。

そんなこんなで試練の間を抜け、祈り子の間に着いた。
薄暗い部屋、目の前には龍の王を思わせる祈り子像。
そこから幼さの残る男の子が姿を見せた
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