独奏の堕天使
□☆十七歳〜十八歳編☆小さな変化と大きな変化
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「何でこんなに多いんだよ!!」
「おっかしいなぁ…掃除は先月したはずなんだけど。」
「おかしいだろ!」
おかしい量の魔物に襲われる召喚士ユウナ様御一行こと私達。
周囲には懐かしい十年前を超えると思われる程の…夥しい量の魔物が迫っていた。
「『シン』復活から9年目…だから?」
「そう考えるのが妥当だな。」
「てーつーだーえってーの!!」
こっそり話していると、応戦中のティーダが文句を言ってきた。
「レイン、簡単だろう、やってこい。」
「えー…まあ良いけど。」
私は皆の前に出てから横に手を振る。
これは魔法の合図。
瞬間、全ての魔物の足場が熱されていき……
吹き出した火柱が全ての魔物を襲った。
あっけなく幻光虫へ変化していく魔物。
「まっ、こんなもんでしょ。」
「今の…『フレア』ね。」
ルー姉が多少驚きながら言う。
まあ、普通の人ならフレアを10発以上連続でやったら魔力切れを起こすから驚くだろうね。
「流石、と言った所か。」
「凄い……」
そんな中ティーダは「早く行こうぜ!」と元気に進んでいた。
もう少し待っておくべきだったかしら?
「あの残骸が何だかご存知ですな?」
いきなり爺さんが前の集団(先頭にワッカ,ティーダ、真ん中にルー姉,ユウナ,キマリ、後ろに私とアーロン)に声をかけた。
正直そんなの関係無いし、知らなくても良い事だと思った私は眺める事にした。
すると
「この十年…何をしていた?」
アーロンが私に聞いてきた。
「手紙に書いたでしょ?」
「詳しい事は聞いていないからな。」
「こっちの方が知りたいのに…」
そう言うとアーロンは「次休む時にでも話してやろう。」と言い、前を向いた。
少し進むとまた、魔物に襲われた。
「ほんっとしつこい!!」
「喋る暇があるなら攻撃をしーーー」
「アーロンさん!右!!」
ユウナが叫ぶのとほぼ同時にアーロンの右側からミヘンファングが攻撃を仕掛けて来た。
すかさず私は間に入りミヘンファングを切り裂く。
「右を任せちゃうのは癖になってる?」
「………すまんな。」
素っ気ない返事をするとまたアーロンは魔物に切りかかって行った。