独奏の堕天使

□☆十七歳〜十八歳編☆老師様
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ルー姉にこっぴどく叱られた後私達は船に乗ってルカへ向かい始めた。

「ユウナも災難だねぇ…」

「ほんと、親が有名って…な。」

「きっとドナはゆっくりマイペースに旅が出来るんだろうなー、こんな馬鹿に引きとめられずに。」

「レイン、馬鹿って…」

ティーダは笑いながらこちらを向いた。

「だってそうじゃない。なんで大召喚士サマの娘ってだけでこう…集まるの?それって肩書きに踊らされている馬鹿じゃない。ユウナだってゆっくり世界を見ながら旅したいと思うけど。」

「そうだよなぁ…」

「ティーダもそうだったでしょ。」

「え?」

私が聞くと、ティーダは『は?知ってんの?』と言いたげな反応を見せた。

「ワッカ兄に話してた時、そう言う風に聞こえたし…何よりあの人が有名じゃないわけない。」

「…だよなぁ。」

「ジェクト、生きてると良いね。」

"一応"生きてるし、知ってるけど、からかい半分で聞いてみる。
私からしてはからかい半分で聞きたい事じゃ無いけど…話の流れからして聞いた方が良いと思った。

「別にどうでもいい、あんな奴…」

このツンデレ。そうそう、こんな話を知ってる?」

「ん?」

私は小さい声で言った後他の話を始めた。

「遥か10年前、一人の召喚士が『シン』を倒したお話。」

「えっと…ブラスカサマ?だっけ。」

「そうそう、大召喚士ブラスカ。ユウナのお父さんのお話。
大召喚士様のガードは元僧兵とブリッツの選手、そして小さい男の子だったと言われているわ。
僧兵と選手が前線に立ち、男の子は後ろから黒魔法で援護、召喚士様は皆の回復というバランスのとれたチームだったそうで。
君は…前線に立てるかな?」

「何が言いたいんだよ、よく分かんないし…それに昔の人の話だろ?」

「前線に立ち、そして召喚士様を守り、支えられる存在になりなさいって言ってんのよ。
ユウナを支えてやりなさいよ、ただでさえ周りの人からの期待が人一倍大きいんだから。」

そう言うと私はティーダの肩に手を置き「まずはあの団体様から守って見なさいな。」と言い、その場を後にした。
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