独奏の堕天使

□☆十七歳〜十八歳編☆さようなら、ビサイド。
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地平線から眩しい太陽が顔を出す。
そして船が港に到着した。

木造の船に木造の港。
船の動力はチョコボって何かの虐め?

それなら頑張ってもっと機械を……って、ダメか。
此処じゃそんなの通用しない。

「おお、レインさん。」

船員の人が声をかけて来た。

「もう、乗っていても大丈夫ですよ。」

「そうですか?ありがとうございます。」

私は船に乗って一人海を眺める。

スピラに来てから海を眺める回数が増えた。
それは…ジェクトが『シン』だからなのか、それともザナルカンドを思っているのか…
いや、前者だろう。

まるで父親の様に接してくれた彼を思って海を眺めるのだろう。

私は決めているんだ。

絶対あんな魔物ん中でジェクトを死なせるわけにはいかない。
絶対に…



〜〜〜〜〜


「レイン!先に乗ってたのかよ!!」

「乗ってたよ。」

暫くしてユウナ様御一行が船に乗ってきた。
そして、私を見つけたティーダが声をかけたということだろう。

「あれからずっとココに居たのか?」

「まあね。
……海を眺めるの、暇な時にはよく。」

「どうしてなんだ?」

「さあね、自分でもわかんないや。」

私が言うと、ティーダは「ふーん」と言ってワッカ兄の所へ行った。


〜〜〜〜〜


「ユウナの親って、有名人なのか?」

ティーダはルー姉とワッカ兄にこう聞いた。
恐らくユウナが『ブラスカ様の娘』だなんて呼ばれていたからだろう。

「大召喚士ブラスカ様の娘だ、寺院にご聖像があったろ?
10年前に『シン』を倒した大召喚士ブラスカ様。
ユウナは召喚士として最高の血を受けついでるのさ。」

ワッカ兄が自慢気に語った。
が、それに反してティーダは…

「可哀想だよな…親が有名だと。」

「へ?」

まるで自分の事を話すかの様に言った。
が、ワッカ兄にはよく分からなかった見たいだ。

「この人にそういう想像力を期待しても、無駄ね。」

「有名人の子供の苦労を考えられない人だから。」

「分かったよ。ルールー、レイン。」
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