独奏の堕天使

□☆十七歳〜十八歳編☆召喚士のガードと召喚士の娘
1ページ/4ページ

「っーーー着いたー!!」

船から飛び降りるかの勢いでビサイドへ降り立った。
両腕を上げ、まるで子供だ。

さて、こんな三人称的解説はやめて。

私は今ビサイドにいます。
もちろん仕事で。

知り合いが出来たとはいえ、やっぱり行きにくいな。
まだ会ってないけどブラスカの娘さんが居るらしいから。

でも、そんなこと気にしてたら仕事出来ないから気にしない!
………極力。

そんなこんなで魔物を倒しながら歩いて10分強、ビサイド村に着きました。

「……………」

思えばこの10年色々なことがあった。
キノックさんに会って、仕事始めて、マイカ総老師に会って、ブリッツの助っ人。

他にも沢山の事をした。

スピラを何週したかなんて覚えてない。

でも貴方はーーー

「どうしたんですか?」

ボーッと考え事をしていたら目の前に可愛らしい着物の少女?が居た。
心配そうに此方を覗き込んでる。

「…ど、どうしましたか?」

「ん?あぁ、なんでもないよ。」

「あ、それなら良いんです。なんか、ボーッとしてた見たいで……」

うっ……と、私は焦る。
そんなにボーッとしてたかな…?

「今日はどうしたんですか?」

「ん?仕事だよ、仕事。討伐屋って知ってるでしょ?」

「あ、本当ですか!?私と同じくらいの人ってルールーが言ってたけど本当だったんだ………。」

ルー姉、そんな事言ってたの?
って事はもしかして………

「あれ?貴女がルー姉とワッカ兄が行っていた従召喚士ちゃん?」

「はい!ユウナと言います。」

ふと思って聞いて見たら正解。
しかもどっかで聞いたことある名前………って、

「ブラスカの娘さん!?」

「はい、父とご知り合いですか?」

「あ、えーと……私の父が僧官時代の知り合いでその時呼び捨てしてた癖が抜けなくて…。」

超咄嗟の言い訳。
だが疑うことを知らないとでも言うような笑顔で「そうなんですか。」と彼女は言った。

「今日、これから祈り子の間に行くんです。」

ユウナからとんでもない言葉が出た。
ルー姉とワッカ兄の話からするにもうそろそろかと思っていたけどまさか今日だとは思っても居なかった。

蛙の子は蛙。
実際はおたまじゃくしだけど。
その言葉が本当なんだって今思った。
…まぁ、私もブリッツやるし。
ジェクトの子供はブリッツやってるのかなー??

「そっか、頑張ってね。」

私は悲しげな声で言った。

それから私とユウナは少し話をしながらビサイド村を歩いた。


●●
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ