怪盗クイーン

□最高のパートナー
3ページ/4ページ

案外、人は居ない。警備員は…………、四人ほど。
さて、私が狙っている宝が置かれる部屋は……………。ふむ、警備は、薄そうだ。ICPOに見つからなきゃ、盗むのは容易だな。
「さて、帰ろうか」
「えっ、もうですか?」
「下見はスピーディーにやるものだよ」
ホテルに戻ったら、作戦を練らなければならないからね。





 

さて、ホテルに戻った。

「RD。今から言う物を用意してほしい」
【了解しました】
「まずは………………」

此処からは、秘密だよ?
言ってしまったら、つまらないだろう?








さて、ついに来たね。

「ジョーカー君、準備は大丈夫かね?」
「はい」
さて、行こうか。


排水口は、薄暗く、臭いも強烈だ。
「まさか可憐なクイーンが、排水口を使うとは、警察も思っていないだろうね」
「ですね…………」
はぁ、臭い。我慢、か………。
「RD、聞こえるかい?」
【はい、聞こえます】
「今警察とか、何処にいる?」
【クイーン達の真上に二人。宝がある部屋に二人。正門に四人。裏門に四人。計十二人です】
おや、少ない…………。
「今回はスムーズに盗めそうだね」
「そうだと良いのですが………」




※此処から、仙太郎目線。

さーて!クイーン、もうすぐ予告した時間になる。さっさとかかってこい!
「旦那。………警備の数が、少ない気が…………」
「人件費節約だと」
何だか虚しい…………。
「なあ旦那。クイーンは何処から攻めて来ると、思う?」
「多分裏門だろう。警備の奴らを眠らせたりして、警察に成り済ましてくると予測している」
「まっ、なら警備がこっちに来たら捕まえれば良いって事だな」
けど俺には、どうも裏門から来るとは考えられない。
何か、こう………、変な場所からって言うのかな……。
「…………旦那は裏門に行って欲しい。俺は宝がある部屋に」
「何でだ?」
「もしかしたら、裏門からは来ないかもしれないからさ」
「まあ、なるほど」
「じゃ、また!」
早くいかねーとな!




※クイーン目線に戻ります。


催眠スプレー(強力)を宝の部屋に撒いた。

よし、皆眠ったね。


「さて、案外簡単に事が進んだね」
「早く、セキュリティーを解除しましょう」
「そうだね。RD、頼むよ」
【………………………。はい、解除しました】
さて。
これが、アトランティスの財宝……。まるで水面に映る鏡のように歪んで見える、このクリスタルに輝く、僅か2cmしかないペンダント。確か名前を、
「ハーグリーヴス・リベル」
ん?
「そこまでだぜ、クイーン」
「えっ?」
「あなたは…………」
「花菱仙太郎だよ。久しぶりだな」
よりによって一番面倒くさい…………。しかも、瞳の色が銀色じゃないか。また面倒な……………。
「何故君には催眠スプレーが効いてないんだ?」
「そりゃ、今この部屋に入ってきたからな」
なるほど。私はタイミングが悪かったみたいだね。
ハーグリーヴス・リベルをジョーカー君に渡した。
「先にトルバドゥールに行っててくれ」
「……………。嫌です。僕も、戦います」
……………やれやれ。

「2対1かよ」
「いや、2対2だ」
「旦那!」
また厄介なのが来たね。
「俺はジョーカーだ。お前はクイーンを」
「了解!」



※仙太郎目線。


怪盗クイーン。戦ったことはないけれど、多分勝てる。


…………?何でクイーンは、あの場から動こうとしないんだ?まさか、……………


っと、俺とクイーンは、睨み合って、動かない。それに比べて、旦那とジョーカーは、武道で戦闘中。


その時だった。



「クイーン!死ねぇぇ!」

一人拳銃をクイーンに突き付けて、引き金を引いた奴が居た。後から旦那の後を付けてきたんだろう。

「馬鹿!避けろクイーン!」


ばんっ!

俺は怖くて、目を瞑ってしまった。
クイーンは……………?

っ!?
何で………。


「ジョーカー、君…………」
「……………、貴方に、して………見れば、珍しい…………、ですね………」
「ジョーカー君!」

クイーンを、庇ったのか?
おいおい、マジかよ…………。

旦那はジョーカーを撃った奴を取り押さえた。
クイーンはジョーカーの応急処置。
俺、どうしよう…………。
「旦那……」
「早く救急車呼べ!」
「はい!」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ