怪盗クイーン

□最高のパートナー
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あれから機内食を食べ、ゆっくり映画を見ていたりしていたら、カナダに着いたようだ。
窓から見える島、カナダは、何処か懐かしい感じがした。




さて、着いたね。

これからホテルに向かうためにタクシーに乗った。


タクシーの窓から見るカナダのバンクーバーの景色は、不思議な感じがした。ゴシック建設の良さが、良く出ている。洋風の建物も好きだが、和風の建物も、割と好きだ。


景色を見ていたら、いつの間にかホテルに着いていた。

チェックインを済ませ、19階のスィートルームに向かった。




割と悪くない部屋だね。
中央にあるシャンデリアは、部屋の艶やかさを強調しているかのようだ。窓ガラスに映る港町は、海賊船が居てもおかしくない感じだ。あれ、ベッドが………………

「クイーン。何故ダブルベッド何ですか?」
「…………………」
「クイーン?」
何故、ダブルベッド?私は確かにシングルを二つ、と………。………あっ、
「ごめん、ジョーカー君。怪しまれないように、ダブルにしたんだ」
「寧ろ怪しまれますよ?」 
「…………………」
今更、仕方ない!


さて、一息付いてか、私達はホテルを出て、街へと歩き出した。



バンクーバーの街並みは、何処か不思議だね〜。

「取り敢えず、ショッピングだね」
「…………はぁ」
おや、ため息を付かれるとは。








「………クイーン、一つ良いですか?」
「どうしたんだい?」
「そんな気持ち悪い物を買うのですか?」
私達が居る場所、日本語が通じる店。路地裏のような、人気がない場所にある。勿論日本円からカナダドルに替えられる。
で、私が手にしているものかい?それは、タランチュラをガラスケース型ストラップにしたやつだ。
「誰が好き好んでこんな気持ち悪い物を買うと思うのかい?これは皇帝にあげるのさ」
「…………はぁ。僕は他を見ていますから」
おや、呆れられちゃったね。他に何か面白い物はないかな〜。



特にないので、その店から離れ、大通りに出て、他の店を探した。勿論、お土産がメインだけどね。


適当にクッキーやメープルシロップを買い、話題はホテルに戻ろうとした。
「!クイーン、あの前から来る二人組に気をつけて下さい」
前から来る二人組?…………あぁ、ICPOのヴォルフと、花菱仙太郎、だったね。
一般観光客を装い、通り過ぎていく。
ヴォルフは、私達の事を何とも思わず、通り過ぎていった。しかし、
「?おい、何か落としたぞ」
まさか、ジョーカー君が…………。
「あれっ、いつの間に……」
「気をつけろよ」
「ありがとうございます」
どうやら、さっき買ったお土産の小さな袋のようだ。
疑われずに一難を取り去った。

「日本人の観光客も、多いな」
「そうっすね、旦那!けどクイーンは、日本人ではなく、地元住民に化けると思うっすよ」
「そうだと良いがな」

ホテルに着き、部屋に向かう。
「それにしても、今回はICPOに私達の情報が伝わるのが早いね」
エレベーターの中で、ジョーカー君に言う。
「ですね。まあ、早めに予告状を出していますから」
確かに。早めに出さなければ良かった………。



荷物を適当に置き、私は窓からの景色を見つめていた。
「クイーン。RDにICPOの動きをマークしとくように言っておきます」
「あぁ、頼むよ」

バンクーバー、か。不思議だな。異国とは思えない。まあ、カモメが鳴く声が、それなりに風情を出しているかな。
さて、どう美術館に入ろうか………。取り敢えず前々日に盗み出しておいた美術館の見取り図を見ながら、考えた。


入り口は正門と裏門。どちらも普通に出入り出来る。まあ、堂々と行っては、つまらないね。ならば、屋根から?いや、それは定番中の定番。警察の味方に変装、も定番だね。何かこう、変わった感じ……。


「ジョーカー君。盗む時に、何処から忍び込んだらいいと思う?」
「………………そうですね………。排水口、からは駄目なのですか?」
何だかネズミみたいだね。悪くないと言えば、まあ…………。








おや、あれからいつの間にか盗む前の日になっていたのか!

「ジョーカー君。今日はあの美術館に下見に行くぞ」
「あ、はい」
身支度を済ませ、ホテルを出て、美術館へと向かった。
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