怪盗ジョーカー

□バー(魂)とネチェルー(神々)
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ピラミッドの中は蒸し暑く、ずっとは居たくないと思う場所だ。
「あっちー………」
ジョーカーもハチもビリジアンも、イメージガムの変装を取っていた。ジョーカーは暑いからか、マントを取り、ネクタイも外していた。
「本当にこんな、狭っ苦しい中に、そんなお宝があるのか?」
「ああ。あるらしい。……けど、そんな石板を、一体何に使うんだろうか………………」
「あれじゃね?闇オークションで売るとか。それかトレジャーハンターに高値で売るか」
「あり得るな………」
ビリジアンは石板を、依頼主に渡すつもりはない。その石板は、博物館に献上するべきだ。
「多分その石板って世紀の大発見ってやつじゃないか?」
「多分ね………………。あ、気を付けて。ここを登るよ」
「うえぇ!なげー………」
少し急斜面を木で造られた梯子で登り、上を目指す。
「せっま!一人ずつかよ!」
「頑張るよ」
緊張した場面で、梯子を登る三人。
まず第一の場所に着くと、少しの空間が広がっていた。
「こんな所に、こんな隙間が………」
「あ、ハチ。懐中電灯!」
「はいっす」
ジョーカーが懐中電灯で奥を照らした。すると、何か文字が見える。
「ん?何か、赤字で書いてあるな……」
「これは………………」
「読めるか?」
「多少だが………。『王が美しく清くこの国を治める………。』かな?きっと神から王が称号のようなものをもらったんだよ」
「へえ〜………」
その空間を、三人で手分けして調べる。
「あるといいけどな………」
「ああ。考古学者が、もう取ってなければ良いけど………」




10分程探していると、ジョーカーが叫んだ。
「あった!これじゃないか?」
ビリジアンの元に、それほど大きくない石を、持ってきた。
「………これだね」
その石には、神の柱が描かれていた。そしてその柱に挟まれるかのように、真ん中に神聖文字(ヒエログリフ)で何か描かれていた。
「またこの絵文字かよ!」
「………………、多分、オシリスって書いてあると思うよ」
「じゃあ、神の名前だよな」
「ああ。この石で、間違いない」
「よっしゃあ!一つ目ゲット!!」
喜ぶジョーカー。しかしビリジアンは、深いため息をついていた。
「後7つもあるのか………」
「大丈夫、きっと見つかるさ」
「………そうだと、良いんだがな」
どうも嫌な予感が過ぎる。これが当たらなければ、良いのだけれど。
「次はどうする?一応、上も見るか?」
「ああ。もしかしたら、あるかもしれない」
そこから移動し、上へと上がる。だがその空間には、石板は無かった。仕方なくピラミッドから出る三人。
「どうする?後7つもあるんだろう?」
ジョーカーとビリジアン、ハチはクフ王のピラミッドから離れたところで、石板を見つめながら話していた。
「ああ。手がかりがなければ、どうにもこうにも………………」
「………なあ、カイロ博物館に行ってみるか?もしかしたら、あるかも」
「そう、だね」
そう言い、その石板をビリジアンは自分の鞄に入れた。
「気をつけろよ?エジプトはスリが多いからな」
「分かっている」
ビリジアンは鞄を前にしょって。カイロ博物館を目指した。
だがジョーカーはバザールに行きたいと言い始めたのだ。
「………、君は。僕は観光できてる訳じゃないんだ。先に行くよ」
「おう、行ってていいぜ」
「はぁー……」
ビリジアンは呆れ、先にカイロ博物館に行ってしまった。
ジョーカーとハチは、観光客に変装して、 ハン・ハリーリ・バザールへと向かって行った。
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