怪盗クイーン

□最高のパートナー
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「ジョーカー君、RD!仕事をするぞ!!」
「………は?」
【今なんて?】
何だよ、みんなしてー。私だってちゃんと、仕事はするんだよ?
「仕事だよ、仕事!実は私好みの財宝が発見されたのさ!」
二人に見せびらかすのは、一枚の新聞記事。その一面には大きく、『カナダのバンクーバーの海で見つかったアトランティスの財宝と思われる宝がトレジャーハンターによって発見されました!5月22日にバンクーバーの美術館で特別公開される模様。予約なしで見れます!』
「………RD、今日は何日だ?」
【5月10日ですよ、ジョーカー】
「いつ出発するんですか?クイーン」
「明日に決まっているだろう?RD、予告状の作製、頼むよ」
【了解しました】
「………はぁ」
「ほらジョーカー君。旅行用の身支度をしなきゃ」
「せめて仕事用の身支度、と言って下さい」
私はジョーカー君の話を聞かずに支度に入る。ジョーカー君は、呆れているようだね。






さて、大体の支度は完了だな。
【クイーン、ちょっと宜しいですか?】
「何だい?」
【飛行機で向かうんですか?】
「ああ、そうじゃないといろいろ面倒だからね」
【了解しました。パスポートを………】
「あ、今回の私の変装は男だからね。名前は…………日本人らしい名前で、鈴木龍希、で良いかな?細かい設定は任せるよ」
【了解しました】
「ジョーカー君は、…………」
「何ですか、自分で決めろって事ですか?」
「まあ、ね」
「分かりました。RD、名前は…………」


さて、ジョーカー君が決めている間に、私はいろいろと支度しなくては。今回は女装じゃないから、楽だな。
どんな格好にしようかな〜。日本人だから、質素な格好かな?


おや、もうこんな時間か!
さて、明日に備えてそろそろ寝ようかな?
「ジョーカー君にRD、私はもう寝るよ」
「早いんですね」
「寝不足はお肌の敵だよ」
「……………はぁ」
「お休み」
「おやすみなさい」
【おやすみなさい】



次の朝。
私はRDに起こされた。
身支度を済ませ、ジョーカー君を起こしに向かう。
と、思ったらジョーカー君は起きて、着替えていた。
「おはようございます」
「おはよう。早いね」
「早く目が覚めてしまったので、トレーニングをしてました」
「久々の仕事だから、浮かれているのかい?」
「貴方じゃ無いんですから、有り得ません」
酷い言われよう(笑)
さて、そろそろ出発しようか。






成田空港は、何処か人が少ない。まあ、この時期にあまり観光はしないか。
「クイーン、早く行きますよ」
「はーい」
私は鈴木龍希(りゅうき)に変装していた。
ジョーカー君は、相川颯斗(はやと)と言う青年に変装していた。




面倒な検査は終わり、搭乗の時間までまだあるので、何かを食べようとジョーカー君に提案をした。
「軽いものですか?」
「それの方が良いだろうね」
さて、と。なら…………あの店かな?
朝食系の品が多くて、朝にはぴったりだね。
「俺はふんわり卵のフレンチトーストにするぜ。颯斗は?」
「………メープルのパンケーキ」
おや、ジョーカー君が珍しいね。


早く食べ終わってしまった。さてと、どうした事かね。
大体の事は、RDがやってくれるからね………。
「行きたいところとか、あるかい?」
「…………なら」
ん?


ジョーカー君は搭乗口のロビーに向かい、窓から飛行機を見つめていた。
「………」
「どうしたんだい?顔が怖いよ」
「いえ、何でもありません」
………。


っと、そろそろ時間だ。
「行くよ、ジョーカー君」
「はい」

やっと飛行機に乗れるね〜。
飛行機に乗り込み、自分の座席の場所に向かう。あ、今回はエコノミークラスさ。何でかって?たまには普通で行きたいのさ。必要な物をリュックサックから出し、リュックサックを上の収納スペースにしまう。
「あ、俺が窓側だからな」 
「……………はいはい」
景色が見えなきゃ、長旅に飽きてしまうからね!


あれから15分ほどしてから飛行機は動き出し、一機を待って、飛行機は離陸した。

どうも、この離陸の時の耳鳴りというか、重力と言うか…。これが嫌いなんだ!唾を飲まないと、耳が聞こえ辛くなる!





日本を出て1時間程時が過ぎた。ジョーカー君はiPodで音楽を聴きながら、日本の小説を読んでいる。
私?私は、ジョーカー君と対して変わらないさ。
音楽を聴きながら、窓の外の、変わりはしない景色を見つめていた。
長く、続く雲は、まるで汚れを知らないような感じで、澄み切った青空と、上手く合っていた。
雲の下に広がる世界は、水の世界だろう。鮫とか居るんだろうね〜。
さて、暇だね。何をしようか………。
映画でも見ようかな?それともゲームをやろうか…………。









あれから4時間ぐらいだろうか?時が過ぎていた。私はRDと話がしたくて、トイレに向かった。



「RD、私の声は、聞こえているかな?」
【はい、何とか………】
「飛行機は、後何時間ぐらいかかるかな?」
【約5時間程です】
長いようで短いような………。
【予告状はもう手配しましたから】
「ありがとう」
【あの、ジョーカーはどうしてます?】
「寝ていたよ」
【疲れているのですね………】
確かに。休ませてあげないとね。
【また何かあったら、呼んで下さい】
「ああ、了解」
さて、回線に異常は無いし、席に戻ろうか。
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