怪盗ジョーカー U

□月夜に蠢く光
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本で目にする日本と言う街は、とても魅力的だと思う。
だから僕は行きたいと思った。
取り敢えずジョーカーを呼び出して。理由を告げずに日本に行きたいと言ってみた。そうしたら、はぁ?!怒鳴られた。
「どんだけ距離があると思ってんだよ!たまたま俺がお前の家の近辺に居たから良いけど……」
「良いじゃないか。暇だろ?」
「うっ……」
なら、決まりだね。僕は優雅な飛行船の旅を満喫しようと思った。
一通り、旅支度は出来てるしね。




あれから、10時間ぐらいかな。日本にようやく着いた。
「んで?日本の何処に行きたいんだ?」
「何処だって良い。歩きたい」
「歩きたいって……。お前、その容姿だし……」
……気にもしていなかった。ほら、僕が居た所では金髪何か、当たり前に居るし。
「取り敢えずさ、まずはその容姿つか恰好を何とかしないとな」
恰好も変えないといけないのか。少し面倒だな。こんなことなら来なきゃ良かったとか、思ってしまった。


ジョーカーに見立ててもらって。僕の格好は、いつもと大きく違っていた。
黒いフード付パーカーに黒いパンツを履かせられた。全身真っ黒じゃないか。靴はブーツ。
「よし、これでマスクをして……」
「まさか、マスクまで黒?」
「そこまでしたら、ただの変質者だろ。白だって」
渡されたマスクは、確かに白かった。良かった。
「これなら、金髪も赤い眼もバレる事はねぇと思うぜ?」
「………赤い眼ぐらい大丈夫じゃないかな。今流行りのカラコンって言えば……」
「まぁ……」
とにかく、サングラスを渡そうとしていたその手を伏せて。僕は早く降ろしてと言い迫った。けれど何処で降ろすのか、そう言われてしまった。
「新宿?」
「ごちゃごちゃしてるぜ?首都は」
「うーん……」
僕は持って来ていた日本の有名なスポットが載っている雑誌を取り出した。
「………大阪?」
「あー、止めとけ」
「なら、何処なら良いんだい?」
日本に付いてだと、雑誌なんかよりジョーカーの方が詳しいんじゃないかな。
「横浜とか」
「よこはま?」
「その雑誌に載ってねーの?」
目次欄から、僕はよこはまと言う単語を捜した。そして見つけたのでそのページを開いてみた。するとそこは、とても綺麗だった。
「………ここ、良いね」
「だろ?俺も好きなんだ。新宿見たいにごちゃごちゃしてないし」
「ふーん………」
日本って言ったら新宿歌舞伎町って書いてあったのに。そこはとてもごちゃごちゃしてるとか。やっぱ雑誌ってそんなもんか。ジョーカーの意見を取り入れよう。
「ねぇジョーカー、一緒に街を歩かない?」
「おう、良いぜ。だったら山下公園に行かないか?」
「公園?」
「おう、広いんだぜ?船も止まってるし、綺麗だし」
まあ、歩くならそう言った場所の方が良いよね。


僕らは、そのやました公園と言う場所の近くで降ろしてもらい(ばれないようにね)、その公園を歩く事にした。




時間帯が夜だからか、人が少なかった。それに、本当に綺麗だ。雑誌で見るより何十倍も綺麗だ、ここは。
「良い所だろ?」
「うん」
「俺さ、ここの公園良く歩くんだ。まぁ、基本夜だけどさ」
ジョーカーはイメージガムで日本人に変装していた。
「良いんじゃない?夜だって」
「だよな」
波音が静かに聞こえて来て。とても良い場所だと、僕は思った。
日本に住みたいとでさえ思ったくらいだ。けれど、空気が汚すぎる。これでは僕は住めない。ああ、勿体ないな。


それから端から端まで歩いた僕達。
そして、飛行船へと戻った。
「シモン、どうする?」
「君の仕事の手伝いをするよ。付き合ってくれた礼さ」
「んじゃ、行きますか」
そう言って飛行船を走らせる。

横浜か、良い街だったな。公園、綺麗だった。また機会があったら行きたいな。
次は他の場所を。確か…他にも有名な公園があるとか書いてあったな。
どうせだったら、雑誌に書いてある横浜を制覇しようかな。
















END(あとがき)

日本の何処かを使いたかったのです……。そこで横浜を選んだのは、静かで綺麗な場所だから。と作者の勝手な判断です、すみません。
シモンの服は、まぁ適当です(笑)

ここまで読んで下さって、ありがとうございました。

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