怪盗ジョーカー U

□フラッシュバック
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俺は久々に、TVを見ながらゆっくりすることにしたんだ。けど今思ったらそんな事しなきゃ良かった。
まさか、あんな事になるなんて・・・・・・。



その日は、とても晴れていた。世界じゃハリケーンが大変だとか、ニュースで言っていたけれど、こっちじゃそんな事関係ないぐらいに、快晴であった。風もなく、穏やかに時間が過ぎようとしていた。そんな時、突然の訪問者。そう、シャドウが俺の飛行船に来ていた。

「よう、シャドウ。久々だな」
「ああ」
ここ最近は、忙しくてシャドウに会って居なかった。だから、会ったらとても久々に感じたんだ。
「暇なのか?」
「まぁな」
「ならさ、一緒にTVでも見ようぜ?」
俺がそう誘ったら、うんと頷いてくれた。
そして、一緒になってTVを見たんだ。




TVをちょろちょろ回していたら、俺の心に突き刺さるような番組で、手が止まった。
「っ・・・・・・」
「?ジョーカー」
その番組とは、飛行機事故のやつだ。俺の父さん、母さんが死んだのと同じような光景が、そこには写っていた。
「・・・・・・・・なぁ、シャドウ。これ見るの、止めねえか?」
「?あっあぁ」
そう言ってチャンネルを変えてくれたシャドウ。けど俺の震えは、止まらなかった。そんな俺に、シャドウは抱きついてきてくれた。
「うん・・・・・・?」
「怖いのか?」
「ちょっと・・・・・・・」
「・・・・・・大丈夫だ。お前には、俺がいる」
そう言ってぎゅっと抱き締めてくれるシャドウの腕の中は、とても温かかった。
「・・・・・・・どうしたんだ?」
「・・・・・・・・・小さい頃の記憶が、フラッシュバックしたと言うか」
「・・・・・・そうか」
それ以上聞こうとはしなかったシャドウ。それがとても良くて。俺には、シャドウがとても優しく見えた。
「・・・・・・・・もう大丈夫。ありがとな」
「これぐらい・・・・・大した事ない」
ぷいっとそっぽを向くシャドウ。俺はそんなシャドウに笑ってしまった。
今度から、TVを見る時は、一度一覧方に目を通してから見よう。
そう思えた日であった。それに、シャドウの優しさにも触れたような気になれたしな。















END

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