怪盗ジョーカー U

□嘘をつくと言う事
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今日は、聞いた話によると、嘘を付いても平気な日らしい。詳しい事は知らないけどね。
だから僕は良い嘘を思いついたので、ジョーカーの所に向かった。

が、何故かそこには他の怪盗とか居て、少し驚いた。まさか、みんな考えてる事は同じとか……?いやまさか。

ソファーでくつろぐジョーカーの隣で座っているシャドウ。だがそれをスペードが睨み付けていた。あからさまと言うか何と言うか……。どうせだったら、ジョーカーが一人の時が良かったんだけどね。言うとしたらさ。
仕方がないから、ぼーっと突っ立ているシモンの所に行った。
「ジョーカー、相変わらず人気者だね」
「うん」
「……君は良いのかい?」
「………うん」
「そっか」
どうも、僕はヴァンパイアが分からない。死ねない身体が嫌だとか、年を取れないとか、色々不満を言って来るが全て人間が欲しがる物じゃないか。それの何が嫌なんだろう。って彼は人間じゃ無いか。
この男、ヴァンパイアのシモン・アルカード。彼は、謎に包まれた存在だろう。この僕でさえ分からない存在だ。世間が嫌う存在であることに変わりはない。だがジョーカーはそんな彼の事を嫌わず、ここに居る事も、蘇った事にも起こりはしないし嫌わない。そう思うとジョーカーも変わり者かもね。
「ナイトメア、だっけ。君は何しに来たんだい?」
「……世間で今日が嘘を付いても良い日だと聞いて、ジョーカーをからかいに来たんだが、彼が一人でいないとそれは意味がないからね。……そう言う君は?」
「………単なる暇潰しさ。やる事がなくてね」
彼の瞳は、何処か寂しそうだった。赤い瞳……。あまり見つめないでおこう。血を吸われたくない。
「ジョーカーはさぁ、僕に、一緒に宝を盗みに行かないかって言って来るんだよ。僕はその宝に魅力を感じないんだ。だから、一緒には居られないんだよね」
きっとそれだけが理由じゃない気もするが、それを聞いたら駄目だろうね。
「ふーん……。いつか、その魅力を感じれたら良いね」
僕はそんな事を思った事も無いので、共感は出来ない。国宝やら宝石やら、どれも素晴らしいじゃないか。ジョーカーみたいに輝いててさ。
僕がシモンと話しているうちに、あの怪盗二人は帰ったようだ。スペードはダーク・アイに調べさせていた宝について分かったとか。シャドウは妹に呼ばれたとか。やっとジョーカーから邪魔者は消えたか。……と思っていたが、ここのヴァンパイアも十分邪魔者だね。だが今の彼は大丈夫そうかな。
「ったく、あいつら……」
「君もつくづく運が悪いね、ジョーカー」
「ナイトメア……。るっせー。つか、何か用があったんだろ?どうしたんだ?」
「………あったけど、もう良いさ。今度僕の家においでよ。お茶会でもしよう」
「?お、おう」
僕はそれだけを告げ、飛行船から降りた。丁度着陸していたしね。

ジョーカーに言おうとしていた嘘。それは、僕が本当は警察とか。って絶対に信じて貰えないか。僕が警察って、本当に有り得ないしね。有り得たとしても、なりはしないさ。あんな、正義とか言う旗を翳してるだけの奴らには。













END(あとがき)

エイプリルフールに関連した小説を書きたかったんですが、良い内容が思いつかず、こんなのですみません……。
ここまで読んで下さってありがとうございました。

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