怪盗ジョーカー

□誰のための勉強会
1ページ/1ページ

「………お前等、何なんだよ……」
呆れるジョーカー。それもその筈。何故か、勝手に勉強会を開いている。
シャドウはノリで。ビリジアンは、ジョーカーにどれだけの知識があるかどうかのチェック。ナイトメアは、たまたま遊びに来たのだが、面白そうなので参加した。スペードもビリジアンと同じく、ジョーカーにどれだけの知識があるかどうかのチェック。百鬼丸。彼が言い出した事であった。


「えっと、百鬼丸が、本当に頼んで来たって事は、文学に関する事だろ?」
ホワイトボードをハチに出してもらい、依頼の紙を見ながら言うジョーカー。ハチは皆にお茶を出していた。まあ、ナイトメアとビリジアン、スペードは紅茶だが。
「えっと、………は?評論且つ哲学ぅ?しかも、……平和とは、何か?んなこと、分かる訳ねーだろ!」
紙を破るジョーカー。哲学は、彼の得意分野ではないのだ。
「こらこらジョーカー。真面目に答えてあげなきゃ、可哀想だろ?」
上から目線のスペード。それにはイラッと来たジョーカー。そしてホワイトボードに、平和とは何か、と書いてみた。
ふと、ジョーカーも考えた。

「平和、平和………。何なんだろうな、平和って」
えっとなる一同。まさか、ジョーカーからそんなシリアスな発言が帰って来るとは……。
「今が平和って思うけど、それは、俺達だけが感じてる事。けど世界じゃ、紛争やら殺人。………真の平和って、何なんだろうな」
五月蠅かった皆は、黙り込んでいた。
「………すまないジョーカー。その議題は、無理のようだな。だったら……」
そう言って百鬼丸は、別の紙を出して来た。
「えっと、……日本のアニメ文化について?」
文系、と呼べるものだろうか。
「(どうして忍者とか、アニメとか好きなのかな〜……)じゃあ、まず、日本のアニメは、クオリティが高い」
それには頷く一同。
「次に、線が細かい。まあ、それはアニメじゃなく、漫画もそうだな」
一体何故、こんなを勉強しているのか。
「じゃ、勉強会には欠かせないもの。それは、実践。じゃ、みんなで俺が出すお題に応えて、描いてくれ」
そう言われ、皆描いてみる事に。


「………出来たか?」
はーい、と声を合わせる。
一人一人一枚の絵を見て見る。一番上手いのは、ビリジアンだ。
お題はジョーカーを描け、であった。
「………おいシャドウ、お前下手過ぎだ」
「………けっ、絵なんか描ける訳ねーよ!」
皆シャドウの絵には、笑っていた。物凄く下手であった。顔が歪んでいて、目が何処かに行っていた。お世辞でも上手い、とは言えない。
「わ、笑うな!」
ずっと飛行船は、爆笑の渦に包まれていた。


その日シャドウは、ずっと自室で泣いていた。そしてその後、ローズに慰められていた。





END


(あとがき)
七氏様、リクエストありがとうございました!管理人が文系ですみません……!そして、短編ですみません(何故アニメの話になったのか、気にしないで下さい(笑))

ここまで読んで下さって、ありがとうございました!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ