怪盗ジョーカー

□楽しいピクニックの理由
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ある日、ヴェネツィアの怪盗とイタリアの探偵と、ジョーカーのライバル二人が、ジョーカーに呼ばれていた。
「なあ今日、皆でピクニックをしようぜ!」
一同声を合わせて「はっ?」と言った。
「あ、けど、僕は構わないよ?」
そう言いながらナイトメアはジョーカーの肩を掴んでいた。
「………なら僕も」
スペードは、ジョーカーを盗られてたまるものかっ!そんな思いでそう言っていた。
「では僕は、それを絵に描かせてもらおう」
ビリジアンは、少し離れた所でスケッチし始めていた。
「……けっ。てめえら!俺のジョーカーに気安く触るんじゃねえ!」
シャドウは、ジョーカーに抱き着いていたナイトメアとスペードを引き離した。
「いつからお前のものだっ!」
ジョーカーはシャドウの頭を強く打った。
「……………で、ジョーカー。どうして突然ピクニックをしようと?」
スペードは、ジョーカーの珍しい発言に、疑問を浮かべていたのだ。ジョーカーは、少しうるっとした瞳で、皆を見ていた。
「………今日俺の誕生日なんだ」
それに驚く一同。だが、ハチはそれを知っていたようだ。全く驚いていない。
「そう言う事は、もっと早く言えよ!」
シャドウはジョーカーに怒っていたが、ナイトメアはジョーカーに向かって、手品で薔薇の花束を差し出していた。
「こんなものしか、あげられないけど。僕の気持ちだよ。ハッピーバースデー」
「ナイトメア………」
良いムードの二人を装に、ビリジアンはその光景を、もう描き上げていた。
「ほら、事情も分かったんすから、皆座って、オイラが作った飯を食うっす」
ハチは、そう言いながらシートを広げ、その上にバケットを置いて、弁当等を並べてた。ビリジアンはその光景を見て、皆の方に来て、シートの上に座っていた。
「じゃ、いっただきまーす」
皆にお構いなしに食事を始めるジョーカー。
「………すまねえジョーカー」
「シャドウ?」
「……プレゼント、用意できなくて……」
「気にすんなって!みんなからのプレゼントは、こうして俺と一緒に飯を食う事で、良いからさ」
にこっと微笑むジョーカー。それに心を打たれる一同。
「ジョーカー!俺からのプレゼントをやろう!」
突然の声。だが、聞き覚えがあった。
「百鬼丸さんっ!?」
自分の知っている人物の登場に、戸惑うハチ。
百鬼丸は、木の上から降りてきた。それには、皆が驚く。
「実用的なものだ!」
百鬼丸がジョーカーに渡したもの。それは。
「………手裏剣?」
「……百鬼丸さんらしいっす」
実用的、と言われれば、実用的だ。だが、怪盗のジョーカーが手裏剣を使う機会などあると言うのだろうか。
「さて、俺の一緒に食うぞ!」
百鬼丸もそのパーティーに参加してきたので、七人と言う大人数で、ジョーカーの誕生日を祝った。

こんな日も、たまには良いか。

ジョーカーは心の何処かで、そう感じていた。今が一番自由で、幸せだと。








END

(あとがき)
七氏様、リクエストありがとうございました!
誕生日ネタですみません!他に考え付かなかったので……。
ナイトメアは、私の中ではイケメンなキザ男、何です、すみません(笑)それだけ愛しています!

ここまで読んで下さって、ありがとうございました!

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