怪盗ジョーカー

□バー(魂)とネチェルー(神々)
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ビリジアンは、列車に乗り、新聞を読みながら、ルクソールからカイロへ向かっていた。
「……………」
その時、ノックがして、列車員が入って来た。
「すみません、切符の確認です」
ビリジアンは切符を見せた。確認した列車員は個室を出ていった。
「……………エジプト、か」
窓の外の砂漠を見ながら言うビリジアン。
永遠に続くこの砂は、まるで人のようだ。そう呟いて。


カイロに着き、ポケットからとあるメモを取り出し、読みながら歩いていた。

『エジプト、カイロにあるピラミッド。そこには、オグドアド(8柱神)の石版、と言う石板があるのよ。で、その石板の中に、神の柱が描かれている石板があるの。その8つの石板を集めて来る事が、今回のあなたの依頼よ。依頼主は………、何かしら?………日本の偉い考古学者らしいのだけれど、字が汚くて読めないわ。まっ気にせず見つけてきてね★
あ、オグドアドの石板は、ピラミッドの中にあるって。どのピラミッドかは分からないの。自力で探し出してね♪』

「…………………8柱神の石版、か」
ビリジアンがとある人物に頼まれた依頼、それは──────






「……………エジプト、へ?」
「ええ」
「あの、レイ・ドラゴン。何故僕ではいけないんだい?砂漠とかなら、あのアリババに任せればいいじゃないか」
「それが彼とは音信不通なの。まあ多分国に帰ってないだけ、だと思うけど。私のような乙女には、エジプトはキツいのよ。で、一番頼りになるのが、あなたよ。まあ簡単な依頼よ。詳細はこの紙に書いてあるわ」
無理難題を言われ、しぶしぶこの依頼を受けたビリジアン。



「……………ピラミッド………、やはり、デカいな………」
クフ王のピラミッドの下まで来たビリジアン。
「さて、どうしようか…………」
だが、中に入れるピラミッドは、限られてしまう。今回は内密に動いているため、そう易々とピラミッドの中に入れない。
そんな時だった。何か嫌な気配がしたので、慌てて隠れるビリジアン。そして向こうの方から来た人物には、目を疑った。
「あれは、ジョーカー……!」
何故変装している人が一目瞭然でジョーカーだと分かったのかと言うと、ジョーカーは自分、ビリジアンに変装していたのだ。
まさか彼も石板を………?しかしその情報は、僕とレイ・ドラゴンしか知らないはず。まさか………、盗聴されていた?
推測してる間に、ジョーカーはピラミッドに近付いて行った。
「しかし、大きいな。………本当にこんな所にそんなお宝があるのか?」
アリババに化けたハチがメモを見つめていた。
「ええ。あるはずっす。けど、どのピラミッドかは分からないっす」
「地道に中に入って、探すか」
どうやってピラミッドの中に入るというのだろうか?二人の様子を伺っていると、二人はイメージガムで、ここの警備員に変装していた。
なるほど!僕もあれを使えば………。
ここは一か八かしかない。ビリジアンは二人の前に出た。
「げっ!ビリジアン!」
「大きな声を出すな!」
ジョーカーの口を塞ぐビリジアン。
「………頼みがある」
怪盗にこんな事を頼むのは性に合わないが、ここは協力も必要だ。そう思ったビリジアン。






「良いのか?お前が俺達と一緒に宝を盗んで」
「ああ。それに、この依頼、裏があると思っているんだ。………」
「………………、まあそう言う事なら、良いけどよ。ほら、イメージガム」
ガムをジョーカーから受け取る。そしてそれを口に含み、彼も警備員に変装した。
「さて、行くか」
変装した3人は、ピラミッドの関係者以外立ち入る事の出来ない場所へと入って行った。
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