怪盗ジョーカー

□誰が何のために
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この二か月。
俺は、何処にも行かず、ずっと考え事をしていた。

勿論、シャドウが原因。

だってよ!この前、モン・サン・ミッシェルの中にある十字架を盗りに行ったとき、アイツ突然現れたかと思ったら、キスしてきたんだぜ!?
しかも、宝を盗み終わった後は、sex要求してヤってくるし!!

俺、もう嫌だ・・・・・。

・・・・・・おんなじ顔、か。
気味悪いと言うか・・・・
ハチには、この悩みは言えない。言ったらぶっ飛ばされる。ってか、ごはん抜き・・・・。
「気分転換に、何か盗みに行こうかな」
ってか、行こう。悩んでいてもしょうがないな。


盗む日当日。

鉢合わせ?したのが、まさかの・・・・
「よう、久々じゃねえか。ジョーカー」
「シャドウ・・・・」
・・・・・何だろう、異様な空気が流れる。
「何だよ・・・・」
「別に?」
・・・・・早く盗まなきゃ。
「今日は邪魔しねえから」
煤I!???それだげ言うと、シャドウは何処かへ消えてしまった。
「どうしたんでしょうね、ジョーカーさん」
「わっかんねー・・・・」
マジ、分からん。


んで、いつものように難楽ゲット!
「おっと」
走ってる最中に、突然スペードが現れやがった!
「ぶっぶつかるだろ!」
「ごめんごめん。あ、クイーンからこれを渡せって言われてさ」
・・・・よくもまあ、俺の居場所が分かったな。
てか俺、クイーンに今日盗むって言ったっけ?

「手紙・・・?」
「中身は見てないよ」

本当だ。開いていない。


『ジョーカーへ。
実はね、おじいちゃんがぎっくり腰(3度目)になっちゃってさ〜。これから一週間は一緒に盗みにいけないのよ。だからスペードと一緒に頑張ってね〜。
あ、もし宝石類を盗んだら、ちゃんと寄越しなさいよ!?
PS:そろそろイメチェンしたら?アンタダサすぎだよ〜(笑)』

・・・・・・師匠、大丈夫かな。
「どんな内容だい?」
「あ、・・・・師匠がぎっくり腰になったって」
「そう、かい・・・・。近いうちに、お見舞いに行こうか」
「おう・・・・」
ため息をするスペード。まあ、当り前だよな。
俺って、ダサいかな・・・・。

「なあスペード。俺とお前とクイーンって小さいころから何か変わったか?」
「・・・・まあ、多少」
「どこら辺が?」
「クイーンは髪が伸びて、少し大人っぽくなったね。僕は知的面がかなり伸びた。君は・・・・・悪知恵がぐーんと伸びたね」
「・・・・うっぜ」
「ウザくて結構」
あーー!!マジウザい!
「あ、俺ってダサい?」
「・・・・・別に。怪盗の正装はそれでいいと思うよ?あれじゃないかな?普段着って言うか、変装した時の恰好が、かな」
こいつ、グサグサ来る事をすらすら言いやがって・・・・・。
「ちゃんと今どきの雑誌を読んで学ぶよ」
「ふふっ、君が真似できるかな?」
マジうぜー!!!
「さて、そろそろ帰るかい?」
「ああ」
「なら僕の飛行船に・・・・」
スペードが言いかけた時、突然トランプが飛んできた。
「!!??」
「誰だ!!」
「ったく、俺のジョーカーを盗るなよ」
シャドウ!?さっき帰ったんじゃ・・・・・・
「シャドウ!?貴様、また僕の邪魔をしに来たのか!!」
「はっ、てめぇには関係ねーよ」
シャドウは俺に向かってきた。
「なっ何だよ・・・」
「・・・・・来い」
「待て!!」
シャドウは煙幕を張ってその場から逃げた。


「シャドウの、馬鹿」
「うるせぇ。・・・・・てめぇに話があんだよ」
「えっ・・・・」
いつの間にか、シャドウの瞳は深刻だ。
「お前・・・・・」

ゴクッと息を飲む。


「怪盗やってて楽しいのか?」

えっ・・・・
シャドウ・・・・?

「お前、何言って・・・・」
「・・・・・・」
そりゃ楽しいぜ?世界を駆け巡るって言う事は、かなり良い勉強なんだぜ?
「俺は、楽しくねーんだ。寧ろムカつく」
ちょっ、シャドウ・・・・・。
近付くな!
「てめぇら見たいに、温くて甘くてちんたらしてる奴の事がよ!!」
ドンっ!
俺は壁に背中を打った。
「いってぇ!」
「何が良いんだ?盗んで・・・・」
「シャドウ・・・・」
「怪盗なんか止めて、俺と一緒に暮らそう・・・」
はぁぁ!!??
「どうしたんだよ、突然」
「・・・・・・」
変だ。
「怪盗ってさ、泥棒だろ?それはお前しか満足できない事だろ?誰が何のために宝ってやつを作ったと思ってんだ?」
返せる言葉が、見つからない。
「そ、れは・・・・・・」
「ほら言い返せない。諦めて、俺と一緒に行こう」
手を差し伸べてくるシャドウ。
これに捕まったら、俺・・・・・。
「止めろーー!ジョーカー!!!!」
買Xペードの声・・・!
トランプをシャドウに向かって投げるスペード。
「ちっ、邪魔が入ったか」
「後をつけてきてしばらく様子を見ていたけど、シャドウ!お前にジョーカーは渡さない!」
シャドウは俺から離れた。
「今日は一旦引くが、まだあきらめたわけじゃねーから。考えとけよ、ジョーカー」
それだけ言うと、シャドウはいなくなった。
「大丈夫かい?!」
俺はいつの間にか、地べたに尻もちを付いていた。
「・・・・・・あっあぁ、大丈夫」
「・・・・アイツの言葉、無視しろ」
「うん・・・・・」


何だったんだろう、シャドウの奴。
俺と一緒に暮らすって・・・・。
アイツにとって怪盗って、
何なんだよ・・・・


END

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