novel

□哀傘 2
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…その日も、またしても雨垂れが落ちていた。
               たかつひすい
そこを淡い茶髪を掻き上げつつ、高津 翡翠が歩いていく。
          ほそかわつばさ
すると前と同じように、細河 翼が声を掛けて来た。

「こんちはっ!…また買い物か?」
 
そう聞けば。
 
「あ、こんにちは…。え、えぇ、そうですけど…。…まさかまた手伝ってくれるとか言い出すつもりじゃあありませんよね!?」
 
と、返って来たので
 
「あぁ、いや…、今日は僕の方も買いたい物があるんだ」
 
と言う。
 
すると、
 
「あ…、じゃあ今度は僕が細河さんの方に付き合いますよ」
 
こないだの礼もありますしね。
軽く笑みを含んだ顔でそう返される。
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