世界一初恋〜小野寺律の場合〜
□2月14日A
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「恥ずかしがる、にしても限度があるだろ」
独り言を呟いて、再び溜息を漏らす。校了で疲れた今は、考えることも億劫だ。このまま寝ることにした。
深く深呼吸をして身体の力を抜くと、すぐに眠気が襲ってきた。自覚している以上に疲弊しているようだ。
──ピンポーン…
夢見心地で眠りに落ちかけていた高野は、突如家中に鳴り響いた呼び出し音に目を開ける。
──ピンポーン…
再び鳴った音を高野は無視する。どうせ何かの勧誘だろう。放っておけば鳴り止むと思ったのだ。
──ピンポーン…
だがそんな高野の思考を裏切るように、三度目のチャイムが鳴らされる。