世界一初恋〜小野寺律の場合〜
□夢に見た日々
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今年の12月24日は、去年と同じく高野の家で過ごした。決して小野寺の意見など、取り入れられていない。
「……俺、飲んだら帰りますからね」
「俺が帰すと思ってんの?」
小野寺の言葉に、高野は当然だと言うように返した。
その横暴な言葉に、苛々する。どうしてこの人は、こうも自分の発言が当たり前だと思っているのだろう。
小野寺は缶ビールを一気に煽ると、その缶をテーブルに叩きつけて立ち上がった。当然、帰るためだ。
コートを手に取り、玄関へ歩いていく小野寺の手を、高野は追いかけて掴む。
「ちょ、離してください!」
「小野寺、今日は何の日だ?」