目を生かす

□プロローグ
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…ここはどこだろう。
何があったのか思い出せないし。気がついたらここに居て、なんだか夢を見ている気分だ。




「生きたいか?」

「うえい!?」




び、びっくりした。
こんな真っ暗で何もない所に人がいるとは思わなかった。
振り返れば小柄の蛇みたいな女の人が感情のこもっていない目でこちらを見ている。
その存在が、威圧感が私に迫り来る。まるで心臓を飲み込まれた様な気分だ。




「もう一度聞く。お前は生きたいか?」




……あ、思い出した。
私は学校の帰りに夜道で男の人に色々されて死んでしまったのだ。
え?色々って何かって?
…察してくれ。
つまりこれは夢ではなく、本当に私は死んだのだ。




「そりゃ死にたくない…けど生き返ったらまた死ぬ時が来る。死ぬのは嫌だよ」




声が震える。私の豆腐メンタルなめんなよ。
だって、恐い。さっきもすごく痛かった。気持ち悪くて誰も助けに来てくれなくて惨めで屈辱的だった。もうあんな恐怖は味わいたくない。死にたくない。



「そうか。なら、目を生かせ」




は?



私はこの選択を後悔することになる。

そして、長い長い物語が始まる―…

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