◆ 突発企画 2014(下半期)

□2万hit記念。お母さんは心配症
1ページ/1ページ

20140826
2万hit到達♪
ありがとうございます!

どこが記念なんだというお話ですが。
こんな事しか出来ないので、
1万hitの時同様、何とか捻り出して一本up。


お越し頂き、本当に、本当に、
ありがとうございます。
有り難い時って言葉出て来ないですね……。
ありがとうございます、で、
頭一杯です。

いつもの調子の、どうって事無い一本です。
すみませんすみませんすみません……


****************
【お母さんは心配症】




土方の部屋に原田が来た。


「総司がおかしい?」
「ああ。縁側の所で斎藤みたいにじっと座って動かねぇ」
「楽で良いじゃねぇか」
「顔まで斎藤みたいなんだぜ?」
「何やってんだか本人に聞けよ」
「聞いたよ。別に、しか言わねぇ。
ありゃ、斎藤でも乗り移ってんじゃねぇか?」
「斎藤は幽霊かよ。斎藤はどこ行ったんだ?」
「近所の子供と千鶴と、コマ回してる」
「……はあっ?!」
土方はやっと文机から筆を上げて原田を見た。
「な?変だろ?中身入れ替わって無ぇか?」

土方は原田の案内で沖田を見に行った。
なるほど、仏頂面で縁側に座っている。

「総司?」
「何」
「どうかしたのか」
「別に」
「お前、変だぞ?」
「座ってるだけでしょ。何の用?」
「いや……。用は無いけどよ」
「じゃあ行けば?」

返ってくる言葉は沖田らしいように見えた。
土方と原田は顔を見合わせた。
土方は眉を寄せて原田を見た。
「斎藤はどこだって?」
「庭」



庭に行くと、子供と千鶴と斎藤が居た。
子供が斎藤に群がっていて、
斎藤はコマに紐を巻き付けていた。
土方と原田は千鶴の元に歩いて行った。
「千鶴」
「あ。お疲れ様です」

土方は前置き無しで千鶴に尋ねた。
「ありゃ、本当に斎藤か?」
「斎藤さんですけど……。
何かあったんですか?」
「いや。いつもと違うって聞いたからよ」
「そうですか?
子供って、優しい人になつくじゃないですか。
斎藤さんが遊んでくれるってわかった途端、
もうずっとあの調子です。
斎藤さん、コマ、とってもお上手で」
千鶴はにっこり笑った。



千鶴。お前も斎藤になついてるよな。



土方、心のツッコミ。

「コマは、幕府から禁令出てただろ?」
「あれは道でやるのはダメって奴だ」
土方と原田の話を、千鶴はにこにこと聞いている。
土方と原田が斎藤を見ていると、
斎藤はあまり表情が変わらない。
いつもの斎藤のように見えた。




「入れ替わってる訳じゃ無さそうだな」
「だな」
「明日まで様子見てみるか」
「だな。騒がせちまってすまねぇな、土方さん」
「いや。確かに変だしな」



その日のうちに、永倉、平助、山崎、島田、近藤が
土方の部屋を訪れて同じ事を話していった。



**********



翌日には、二人は元通りに戻っていた。

夕食後。



「……斎藤」
「はい」
「昨日、な」
「…………。」
「お前、総司と入れ替わってたか?」
「………………は?」
土方は言いにくそうに言った。
「いやな。総司が昨日、ちょっとおかしかったからよ」
「寝違えたと言っておりましたが」
「寝違い?!」
「はい。動かさぬ方が良いと言っておきましたが。
酷くなったのですか?」
「…………いや。いい。何でもない」



ただの寝違いか。
……斎藤が遊んでた事を聞くの忘れたな。



土方は沖田の部屋を訪ねた。
「寝違えたって?大丈夫なのか?」
「治ったよ。それだけの為にわざわざ来たの?
土方さん、実は忙しいフリしてるだけ?」
「言いやがれ。ああ、斎藤が昨日ガキどもと遊んでやがったんだが」
「ああ、一時期凄く練習したから得意なんだって。
あれなら右利き左利きで文句言われないもんね。
でも、遊びを練習って、はじめ君らしいよね」



それだけの話かよっ。



「……無理すんなよ」
「土方さんがこき使わなきゃ、ゆっくり休めるよ」
「言ってろ」



謎は解けた。




更に翌日。

夜遅く、外回りから帰った土方は報告を受けた。
「お知らせする程の事では無いかもしれませんが」
そう言って斎藤が、今夜、永倉と平助が飯を食わなかった事と、
理由を聞いても答えなかった事を報告した。
他の隊士ならいざ知らず、その二人が食事をしないとは考えられない。


だが、蓋を開けてみれば、
永倉は虫歯で、
平助は沢庵一本を盗み食いした結果、
喉が乾いて水を飲み過ぎ胃痛。

永倉は歯医者が嫌で、
平助は怒られるのが嫌で、
ダンマリを決め込んでいただけ。



どいつもこいつも!



安心が、勢い余って怒りに届く土方だった。



***********



ある朝。

土方は、自分の前に置かれた膳をじっと見た。
運んできた千鶴を見ると、
こっそり笑って人差し指を口に当てた。
内緒、という事らしい。
「おかわりは無いんですけど、
白いご飯ならありますから」
千鶴は小声で言って、下がっていった。


飯茶碗の中には、卵雑炊。
卵は簡単には手に入らないし、
安いものでも無い。
しかしその滋養には定評がある。

卵は、千鶴だけで手に入れられるものでは無い。

土方は井上を見た。
「千鶴ちゃんがね。
トシさんの体をえらく心配していてね。
これなら他の連中にバレないだろう、って。
トシさんとは、違う種類のお母さんだねぇ」
「俺の方が負けてるよ」

土方はそう言って雑炊を掻き込んだ。

《おしまい》



――――――――――――


あら、斎藤さん良いトコ無し。
斎藤さんとコマの話は適当です。
でもコマは一時凄く流行ったらしいですよー。
お触れが出るくらいに。
永倉さんと平助の扱いが雑過ぎて酷い……。

そして。
オチが無いっ!!!
すみません!
笑いの神が夏休みです!
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ