The Evergreen

□The Evergreen 18
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「クリス、シャワー空いたよ」


クリスは慌てて立ち上がると、涙を拭いてタオの部屋に日記を戻しに行った。


タオの部屋のドアを閉めたとき、ちょうどタオもバスルームから出てきたので、クリスは冷や汗をかいた。


タオは、どぎまぎしているクリスの方へ新しいタオルを放り投げた。


「どうしたの?早くシャワー浴びなよ」


タオは腰にタオルを巻いているだけで、ほとんど裸だった。


上半身をつーっと流れる拭ききれていない雫が、タオをいつもより艶っぽくさせていた。


濡れた髪も、石鹸の香りも、タオの存在全てが、クリスの体に火をつけた。


突然、昨晩の記憶が鮮明に蘇った。


タオは覚えているだろうか?





そんなことはもうどうでも良かった。


もう何年も密かに愛してきた目の前の少年は、あと少しで死ぬ運命なのだ。


つまり、自分の想いを伝えられる期間もあとわずかしかないということだ。


クリスはタオのことしか考えられなかった。


タオの心と体両方を、今すぐここで手に入れたかった。


だから問いには答えず、一歩前に踏み出して、互いの呼吸が感じられるまで近づくと、タオの唇に自分のそれを押し付けた。





タオは一瞬たじろいだが、すぐにその口づけを受け入れ、唇を割ってクリスの舌を招き入れた。


もう何も後悔したくない、クリスとチャニョルの関係はこの際忘れ、今を生きようと決めた。


それが良いか悪いかは、後で考えればいいことだ。





濡れたキスを一旦中断すると、タオはクリスのシャツを脱がし、首筋にそっとキスをし、舌を這わせた。


「あっ・・・」


クリスの敏感なスポットを発見し、タオは満足そうに微笑んだ。





タオの腰に巻いてあるタオルをくるりとはぎ取ると、クリスは彼をバスルームに押し入れた。


タオは鏡の目の前で両手を壁につく体勢になった。


鏡に映る自分の背後にクリスが見えた。


タオの顔は恥ずかしさでカーッと赤くなったが、同時に燃え上がる欲情に更に油を注いだ。


クリスは残りの服を脱ぎ、脱いだ服を放り投げてタオの体を愛撫し始めた。






3 years ago





それは、高校の卒業パーティーでのことだった。


タオとは学年も学校も違ったので、クリスはもちろん違う友達数人と一緒にパーティーへ向かった。


ところが、友達は数杯ドリンク飲んでお喋りをすると、さっさと女子のパートナーを見つけてダンスホールへ消えてしまった。


ダンスも女子も自分のスタイルではなかったので、クリスはひとり、椅子にすわってぼんやりオレンジジュースを飲んでいた。


ポケットで携帯が震えたので取り出してみると、タオからメッセージが届いていた。





From:タオ


ひとりぼっちになってるんじゃない???淋しくない???今から行こうか?





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From: Kris


友達と一緒だから淋しくない。それにお前は18歳未満だから来れない。


それから、馬鹿らしい絵文字を送ってくるのはやめろ-_-

ダウンロードしろってメッセージが毎回来てうざい。





From: タオ


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タオの嫌がらせにうんざりし、クリスはため息をつきながら携帯をポケットにしまった。



背後に誰かの気配を感じて振り向くと、そこには両手にドリンクを持ったあどけない少年が、微笑みながら立っていた。

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