The Evergreen
□The Evergreen 18
1ページ/1ページ
「クリス、シャワー空いたよ」
クリスは慌てて立ち上がると、涙を拭いてタオの部屋に日記を戻しに行った。
タオの部屋のドアを閉めたとき、ちょうどタオもバスルームから出てきたので、クリスは冷や汗をかいた。
タオは、どぎまぎしているクリスの方へ新しいタオルを放り投げた。
「どうしたの?早くシャワー浴びなよ」
タオは腰にタオルを巻いているだけで、ほとんど裸だった。
上半身をつーっと流れる拭ききれていない雫が、タオをいつもより艶っぽくさせていた。
濡れた髪も、石鹸の香りも、タオの存在全てが、クリスの体に火をつけた。
突然、昨晩の記憶が鮮明に蘇った。
タオは覚えているだろうか?
そんなことはもうどうでも良かった。
もう何年も密かに愛してきた目の前の少年は、あと少しで死ぬ運命なのだ。
つまり、自分の想いを伝えられる期間もあとわずかしかないということだ。
クリスはタオのことしか考えられなかった。
タオの心と体両方を、今すぐここで手に入れたかった。
だから問いには答えず、一歩前に踏み出して、互いの呼吸が感じられるまで近づくと、タオの唇に自分のそれを押し付けた。
タオは一瞬たじろいだが、すぐにその口づけを受け入れ、唇を割ってクリスの舌を招き入れた。
もう何も後悔したくない、クリスとチャニョルの関係はこの際忘れ、今を生きようと決めた。
それが良いか悪いかは、後で考えればいいことだ。
濡れたキスを一旦中断すると、タオはクリスのシャツを脱がし、首筋にそっとキスをし、舌を這わせた。
「あっ・・・」
クリスの敏感なスポットを発見し、タオは満足そうに微笑んだ。
タオの腰に巻いてあるタオルをくるりとはぎ取ると、クリスは彼をバスルームに押し入れた。
タオは鏡の目の前で両手を壁につく体勢になった。
鏡に映る自分の背後にクリスが見えた。
タオの顔は恥ずかしさでカーッと赤くなったが、同時に燃え上がる欲情に更に油を注いだ。
クリスは残りの服を脱ぎ、脱いだ服を放り投げてタオの体を愛撫し始めた。
3 years ago
それは、高校の卒業パーティーでのことだった。
タオとは学年も学校も違ったので、クリスはもちろん違う友達数人と一緒にパーティーへ向かった。
ところが、友達は数杯ドリンク飲んでお喋りをすると、さっさと女子のパートナーを見つけてダンスホールへ消えてしまった。
ダンスも女子も自分のスタイルではなかったので、クリスはひとり、椅子にすわってぼんやりオレンジジュースを飲んでいた。
ポケットで携帯が震えたので取り出してみると、タオからメッセージが届いていた。
From:タオ
ひとりぼっちになってるんじゃない???淋しくない???今から行こうか?
この絵文字を見るためには、WOLFパッケージをインストールする必要があります。
下記のURLでパッケージをダウンロードしてください。
http://exowidgets.sm.kr
From: Kris
友達と一緒だから淋しくない。それにお前は18歳未満だから来れない。
それから、馬鹿らしい絵文字を送ってくるのはやめろ-_-
ダウンロードしろってメッセージが毎回来てうざい。
From: タオ
この絵文字を見るためには、WOLFパッケージをインストールする必要があります。
下記のURLでパッケージをダウンロードしてください。
http://exowidgets.sm.kr
この絵文字を見るためには、WOLFパッケージをインストールする必要があります。
下記のURLでパッケージをダウンロードしてください。
http://exowidgets.sm.kr
タオの嫌がらせにうんざりし、クリスはため息をつきながら携帯をポケットにしまった。
背後に誰かの気配を感じて振り向くと、そこには両手にドリンクを持ったあどけない少年が、微笑みながら立っていた。