ジャックポットをひく方法
□ジャックポットをひく方法12
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「俺のことが好きなのか!?」
クリスは大声をあげて、背中が壁に当たるまでずざざーっと後ずさりした。
「な、何・・・、バカだな。もちろん好きに決まってるじゃん。じゃなかったらお前にエッチの相手を探そうなんて面倒くさいことするわけな―」
「違う!本気で好きなんだろ?つまり、つまり、えーと・・・」
クリスはちょうど良い言葉を探そうとしていた。
クリスを笑うルハン、クリスをからかうルハン、クリスに微笑みかけるルハン、クリスに向ける一連の態度を表現した適切な言葉を。
「俺がタオを好きだったように俺のことが好きなんだろ?」
「でもお前はタオを愛してる」
ルハンはぼそりと言った。
「愛してた」
クリスは答えた。
ふたりとも互いに見つめあいながら黙りこくった。
既にタオを愛してはいないということを、クリスは暗に告白したが、はっきりルハンを好きだとは言わなかった。
それにルハンもクリスを好きだとは言っていなかった。
そのせいで男子トイレ内には異様にきまずい空気がたちこめていた。
ルハンは大きく息を吸うと、意を決してクリスに訊いた。
「で、お前はどうするつもり?」
一陣の風が通り抜けたせいか、宇宙人の仕業か、黒魔術か、はたまたその他の超常現象のせいか、何が起きたのか定かではないが、ふたりはどちらからともなく近づいて唇を重ねていた。
そしてルハンはそのままクリスをトイレの個室に連れこみ、壁に押し付けた。
クリスは、パブリックセックスについては否定的な考えを持っていたが、ルハンがものすごい勢いで片手でクリスのシャツのボタンを外し、もう片方の手でベルトを外しているのを見て、ここ数週間溜まっていた性的欲求を自覚し、このチャンスに乗じる決心をした。
再びルハンにキスをするとほんのりオレンジ味がして、ここで遭遇する前に食べたのだろうかと考えた。
のどかなことを考えているうちに、クリスはルハンにむき出しの胸を撫でられ、パンツのジッパー下ろされていた。
ルハンに骨盤をなぞられながらパンツを下ろされたとこで、クリスはようやく体をこわばらせた。
「ま、待て」
クリスがルハンの手から逃れようとすると、ルハンは、怒りと欲望の炎が燃えたぎった目で彼をにらんだ。
「またチキンになるつもりか、ウー・イーファン!?俺は今、猛烈にお前に欲情してんだ!」
クリスは息をのんだ。
「で、でも・・・俺未経験だし、で、できるかわか―」
「ならその口を閉じて、全部俺に任せとけ!」
ルハンはそう言うと同時にクリスのパンツをくるぶしまで引きずりおろした。
そして両手の指先をくるぶしからふくらはぎに這わせ、そこから太ももへ、筋肉を包むように上昇させていき、それと同時にその道筋に丁寧にキスをしていった。
ルハンの唇が太ももの内側まで来ると、クリスの膝はがくがくしてきた。
ルハンは尚も唇を上へ上へと這わせていき、クリスの意味不明な蛍光オレンジのボクサーにたどり着いたところでストップした。
ルハンはまつ毛越しにクリスを見上げ、ゆっくりうなずいて心配するなと無言でなだめた。
そしてクリスのボクサーをくるぶしまで下ろし、目的の物に口を近づけた。
Oh.
先端に生温かいものを感じると、クリスの口から、肺の中で空気が震える音と泣き声の中間のような微妙な声がもれた。
To:My Bitch♥
From:ルハン
Sent:8:14am
グッモーニン!今俺の手に握られているものは何でしょう?
To:THE BEST YOU EVA HAD!!!
From:Kris
Sent:8:16am
ルハン、まだ朝なんだけど
To:My Bitch♥
From:ルハン
Sent:8:17am
ヒントをあげよう。熱くて硬くてクリスに触られると痛むもの(*^∀゚)
To:THE BEST YOU EVA HAD!!!
From:Kris
Sent:8:17am
やめろ
To:My Bitch♥
From:ルハン
Sent:8:19am
まだ何の予想もしてないだろ!!!別のヒントほしい?写真送ってやるよ( ´艸`)
To:THE BEST YOU EVA HAD!!!
From:Kris
Sent:8:20am
今授業中
To:My Bitch♥
From:ルハン
Sent:8:21am
ちょうどよかった。レイに伝言頼む。汚いボクサーを俺のテリトリーに入れるなって
To:My Bitch♥
From:ルハン
Sent:8:22am
本当に写真いらないの?
To:THE BEST YOU EVA HAD!!!
From:Kris
Sent:8:23am
もう返事しない
To:My Bitch♥
From:ルハン
Sent:8:23am
今送る
To:THE BEST YOU EVA HAD!!!
From:Kris
Sent:8:23am
もし送ったら今週はコーヒー買ってやらん
To:My Bitch♥
From:ルハン
Sent:8:25am
〔Picture Message〕
周りの奴らに見せんなよ(≧▽≦)
To:THE BEST YOU EVA HAD!!!
From:Kris
Sent:8:27am
開けるつもりない
To:My Bitch♥
From:ルハン
Sent:8:28am
お前の負け
To:THE BEST YOU EVA HAD!!!
From:Kris
Sent:8:29am
なんで俺達付き合ってんだ?
To:My Bitch♥
From:ルハン
Sent:8:30am
発情中の体を互いに鎮めるためだけど、お前が思春期の少年みたいだからどうすればいいかわからない
To:THE BEST YOU EVA HAD!!!
From:Kris
Sent:8:31am
もっともだ
To:My Bitch♥
From:ルハン
Sent:8:32am
俺もたまには真面目なこと言うだろ?授業終わったらカフェに来いよ
To:THE BEST YOU EVA HAD!!!
From:Kris
Sent:8:33am
了解
To:My Bitch♥
From:ルハン
Sent:8:34am
またね、ハニー♥