きみがいた日

□反応は
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私は二人がひっついた事を知り、ある場所に足を運んだ。


部屋の前に立ち、コンコンとドアを軽く叩く。
「入っていいぞ」


部屋の中から返事が来たのでドアを勢いよく開く。


『エルヴィン!!ユリアとリヴァイ、ひっついたみたい!!』


そう、私が足を運んだのはエルヴィンの部屋。

兄公認にして調査兵団公認のカップルにしてやろうと企んだのだ。

団長には…また追々報告するとしよう。



エルヴィンはしばらく固まり、
「……今、なんと言った?」
と私に聞き返した。


「だから…ユリアとリヴァイ、付き合いだしたみたいだ…」


返答している最中にも関わらず、エルヴィンは光の如く部屋を出ていった。




エルヴィンを追いかけるのも億劫だったので私はのんびり食堂に向かうことにした。


食堂に向かっている途中、色々なエルヴィンの反応を予測してみた。



その一、大反対する。
あー、シスコンなエルヴィンなら十分ありえるね。


その二、リヴァイにユリアをとられるのが嫌すぎて泣き出す。
これもありだね。副団長の威厳とか皆無だけど。


その三、ユリアを誘拐する。
これだけはやめていただきたいね。



って…エルヴィンは知らぬ間に私達の中ではシスコンになってるね。

まぁユリアかわいいし、仕方ないか(笑)


って、よくないよくない。

兄妹弟愛なんかに走られたら困るからね。


結論、認めてなさそうだな…



そんなことを考えながら歩いていたら、もう少しで食堂という所でエルヴィンとすれ違った。


先程とは裏腹、案外落ち着いた表情をしていた。




あれ?予測と違う?



食堂に入るとすぐにユリアとリヴァイの姿があった。



「あ、ユリアとリヴァイー!エルヴィン来たでしょ?」


二人を呼ぶと、私の方を向いた。
「いやー、二人が付き合いだしたみたいってエルヴィンに報告したらさーそれはもう光の様な速さで部屋を出ていっちゃってさー」

「『犯人お前か』」


へらへらと笑いた私はハモって二人に犯人扱いされた。まぁ事実なんだけどね。


「まぁ、いいんじゃねぇか?エルヴィンも反対してねぇし」

リヴァイはそう言ってコーヒーを口にした。


お、エルヴィン反対しなかったんだ。

そんなことを考えていたら


『…ですね』

なんて言ってユリアも少し頬を紅くして答えた。



この初々しい感じたまらないね、いじるネタが増えて。

それに見ててにやける。かわいいカップルだこと。



始まったばかりのこの頃、この幸せが儚く散ってしまうことができただろうか。

いや、誰もできなかっただろう…
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