With you

□真実は
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多くもなかったガスがそろそろ底をつきそうだ。



でも…この作戦を成功させないと……




着々と巨人のうなじを削いでいく。



もう少しで…もう少しで………


もう少しで………本部だ―…




本部の壁にアンカーを放つ。


私達は頭を守り、本部の窓ガラスに勢いよく飛び込んだ。




「ミカサに…マリア!??」

私達が本部に飛び込んで真っ先に声を上げたジャンは驚きを隠せていなかった。


馬面の驚いた顔はなかなかの笑いのネタだな。

なんて冗談を考えている暇はない。



「危ねぇ…もう空だ……」

コニーが呟いたのを聞いて、ガスの残量を確認してみる。


『私のもぎりぎりだ…』

あと1分遅かったらガスはなくなっていただろう。

本部まで辿り着いたことに安堵の溜め息をもらした。



「やったぞ…

ギリギリ着いた…」


「お…お前ら…生きてるじゃねぇか!!」

ジャンは私達が巨人の腹の中におさまってしまったと思っていたのだろう。


「やったぞアルミン!!お前の作戦成功だ!」

「痛い!!痛い!!」


コニーは喜びのあまりアルミンの肩を力いっぱいに叩いた。



「みんな!!あの巨人は巨人を殺しまくる奇行種だ!!

しかもオレ達には興味がねぇんだってよ!!」


コニーは自分はあの巨人について他者よりも知っているということからか、巨人を指差し叫んだ。



「アイツの周りの巨人をオレとミカサで排除して、ここに群がる巨人の元まで誘導してきた!!

アイツを上手いこと利用できれば、オレ達はここから脱出できる!!」


コニーがアルミンが考案し、私達のとった作戦を説明すると周りの訓練兵達の顔色は変わった。


「巨人を利用する!?」

「巨人に助けてもらうだと…?

そんな夢みてぇな話が…」



ジャンも驚きを隠せていない。


「夢じゃない…!!

奇行種でも何でも構わない。

ここであの巨人により長く暴れてもらう…それが、



現実的に私達が生き残るための最善策」


ミカサはあの巨人を横目に言った。
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