With you
□夢への一歩を.
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『・・・』
「・・・マリア、マリアっ!」
アルミンに名前を呼ばれ、ハッと我に返った。
「どうしたんだい?急に黙りこんで・・・」
アルミンは心配そうに私の顔を覗きこんだ。
ぼーっと考えてる間に数十秒経っていたらしい。
「具合でも悪いの?」
ミカサも私の心配をしている。
『ううん!全然大丈夫!私が具合悪いはずないじゃんっ!』
私は心配をかけまい、と無駄に明るい声で振る舞った。
「なんだよその空元気、きもちわりぃ」
エレンは私が無理に元気に振る舞ったのが分かったみたいだ。
『気にすんな!気にしたら負けだぞ!』
“訓練兵団に入れば、この日常がなくなってしまうかもしれない。そんなの嫌だ。”
なんて口が裂けても言えない。
私は、調査兵団に入るために入団試験を受けた。
やっと近づいた夢に、こんなとこで終止符を打つのはごめんだ。
こんな中途半端で、巨人の殺し方さえも知らない無知な状態なんてなおさらだ。
『ほら!もうすぐご飯だし!戻ろ!』
話を逸らすために、そう言って私は3人より先に走り出した。