きみがいた日

□反応は
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*ユリアサイド


「ユリア!!!」

私の名前を叫びながら食堂に入ってきたのは兄のエルヴィンだった。


普段は落ち着いるはずの兄がかなり取り乱している。


『ど…どうしたんですか?兄さん…』

とりあえず、そのような状態になっている理由を聞き出そうとしてみる。



「お…お前、リヴァイと付き合っているとは本当か?!」

大声で言ったため、食堂にいる兵士達の視線は自然と私と兵長の方に向けられた。



「落ち着けエルヴィン…事実だ」

兵長は兄とは真逆の平然とした口調で言った。


「まじかよ…」
「俺、狙ってたのに…」
「まさかリヴァイ兵長と…」

口々に辺りの兵士達がつぶやく。

その兵士達を兵長ばギッと睨み付けた。


一瞬にして兵士達は黙りこむ。



「ユリアもそんか年とは…
昔は“お兄ちゃんと結婚する!”なんてかわいらしい事を言っていたのに…」

なんて言いながら私の声真似をする。



『なっ…やめてよ兄さん!そんな10年以上も前のことっ…!』

私は急に恥ずかしくなり、声を張り上げた。


「ほぅ…そんなことがあったのか…」

兵長は私を小馬鹿にする様な笑みを浮かべた。


『兵長まで…やめてくださいよっ!』

こんな所で過去を掘り返されるとは思っていなかった…




「まぁいい…ユリア、うつつを抜かさないようにだけはするように」

兄は思っていたよりもあっさり許可した。

この調子じゃOKなんか出ないかと思ってた。


「あと…リヴァイ…ユリアに何かあったら許さないぞ」

兄の形相が一変した。こんな怖い顔見たことないや…



「…分かっている」
リヴァイがそう言うと、普段の表情に戻り、食堂をあとにした。




『それにしても兄さんはいつからシス「あ、ユリアとリヴァイー!
エルヴィン来たでしょ?」』


疑問を口にしようとした私の言葉を遮ったのは兄と入れ違いで食堂に入ってきたハンジさんだった。


「いやー、二人が付き合いだしたみたいってエルヴィンに報告したらさーそれはもう光の様な速さで部屋を出ていっちゃってさー」

「『犯人お前か』」

へらへらと笑いながらしゃべっていたハンジさん。

思わず兵長とハモってしまった。


「まぁ、いいんじゃねぇか?エルヴィンも反対してねぇし」

兵長はそう言ってコーヒーを口にした。

『…ですね』

私は少し頬が紅くなった気がした。




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