With you
□立ちふさがる壁を.2
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宿舎がいくつも並ぶ一帯、私とエレン、アルミンは自分達の宿舎とは別の場所にいた。
本当なら私だけ女で男子の宿舎に行くのは好ましくないのだが、今日のところは仕方ない。
教官が見回りに来ることもないだろうし、見回りに来ないという根拠なんてないが大丈夫だろう。そんな気がした。
私とアルミンはエレンのためにしなければいけないことがある。
だから仮に見つかったとしても私は多少のリスクぐらい背負うつもりだった。
「コツだって?悪ぃけど、俺・・・天才だから“感じろ”としか言えん」
コニーが自分はすごい、俺を敬えと言わんばかりの言い方をする。
この丸坊主のチビ、みぞおち殴り込んで明日の訓練に参加できないようにしてやろうか、と思ったが自我をおさえる。
「オレは逆に教えてほしい。あんな無様な姿晒しておいて正気を保っていられる秘訣とかをよぉ・・・」
続いてジャンは逆にエレンに聞き返した。
あぁ、こいつもめんどうだ。何、嫌味しか言えないの?この馬面野郎が。
「お・・・お前ら、人が頭を下げて頼んでるのに・・・」
エレンは必死に頭を下げたが、思ったような参考になる返事が返ってこない。
「まぁまぁ」
コニーやジャンとエレンを見かねてマルコが仲介に入る。
お気づきの通り、私達はエレンの姿勢制御訓練のいいアドバイスはないかと探し求めていたのだ。だがまずこの2人はあえなく失敗。
仲介に入ったマルコが私達に頼りになるアドバイスをくれた。
「コニーとジャンの他にも上手いって言われてたのはあっちにいる2人だよ。名前は確か・・・」
マルコの視線の先には2つの影があった。