With you
□過去の記憶を.
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「オイ・・・あの芋女、まだ走らされてるぞ」
夕日が沈みかけて西の空が紅くなる頃、コニーが呟いた。
「え?すごいな、5時間ぶっ通しか」
コニー達の視線の先には“芋女”・・・サシャ・ブラウスが走っていた。
あの後教官に死ぬ寸前まで走れ、と言われたのだ。
「しかし、死ぬ寸前まで走れと言われた時より、今日はメシ抜きと言われた瞬間の方が悲壮な顔をしたよな」
これを聞いて分かるように、サシャは食べることが生き甲斐のようなものなんだろう。
「ダウパー村ってのは、確か人里離れた山奥にある少人数の狩猟の村だ」
コニーが再び口を開いた。
右と左を間違うくせに、そんなことは知っているのか、と少し感心した。
「まだ、そんな村があったなんてな・・・」
マルコは食堂の建物の出入り口のすぐ前の柵に両腕を乗せ、呟いた。
そして続けた。
「そういえばキミ達は出身とか聞かれてなかったけど・・・
どこに住んでいたんだい?」
私とエレンに問いかけた。
「こいつと同じシガンシナ区だ。そこから開拓地に移って・・・12歳になるまでそこにいた。」
エレンはアルミンの肩に手を置き、言った。
『私も、アルミンとエレンと同じシガンシナ区よ。壁を破壊されてからはずっとエレン達と一緒』
私もエレンの横で、そう言った。
「・・・そうだったか、それは・・・」
マルコが私達に同情したようにも思えた、その時だった。
「ってことはよ、“その日”もいたよな、シガンシナに!」
コニーが身を乗り出して私達に問いかけてきた。
私はコニーが何を聞きたいのかを大方察した。
「オ、オイ!」
コニーが私達に聞こうとするのをマルコが止めようとしたが、コニーはマルコの発言に耳を傾けないまま続けた。
「見たことあるのか?」
もう、ここまで聞かれたら、何を聞きたいのかなんて分からないはずがない。
「超大型巨人!」