With you

□運命的な出会いを.
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「マリア・クリス・・・あなた、もしかして・・・東洋人?」

少女は名乗った私に問いかけた。



『・・・え?』

東洋人?なにそれ。

私の頭の上にはクエスチョンマークが浮かんだ。

「知らないのね・・・クリスって名前、聞いたことがあるわ。

東洋人の生き残りだったけど、消息が不明だって。

まさか、生きてたのね。

それに・・・こんなに近くにいたなんて・・・」

少女は何を思っているのか分からないような表情で私を見つめた。

「ミカサ、この子、東洋人なのか?」

ハンネスは黒髪の少女、ミカサと呼ばれた少女に問いかけた。

「そうだと思う。

この黒髪といい、黒い瞳といい、その名前といい・・・違わないはずがない」

ミカサは私の顔の目の前に顔をぐっと近付けてきた。

そしてしばらくの沈黙の後、ミカサは私を抱きしめた。

『え、ちょ?!』

困惑する私をよそにミカサは

「よかった・・・本当に・・・」

何度もそう呟き、涙を溢した。

ミカサに抱きしめられた私は、初めは戸惑ったものの、彼女の腕のぬくもりに安らぎを感じた。

そのぬくもりは母親を失った私の心の傷を癒してくれるような、そんな感じがした。



『ねぇ・・・ここはどこ?』

ミカサが私から離れたので問いかけてみた。

「ここはウォール・ローゼにある駐屯兵団の駐屯所だ。

ウォール・マリアは・・・巨人に」

ミカサの側に立っていた少年が答えた。

私と同い年くらいだろうか、ただ瞳には何か感じられるものがあった。



「オレ、エレン・イェーガー。よろしくな、マリア」

「私はミカサ・アッカーマン。よろしく」



『・・・よろしく』
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